Friday, April 22, 2022

O"Toxo 3 Hermanos

ディナーのために向かったのは、エル・ラバル地区にあるレストラン O"Toxo 3 Hermanos でした。
上写真はディナーの翌日、昼間のうちに通りかかって撮影したもの。開店中はいつも人だかりが絶えません。

エル・ラバル地区に踏み込んだ途端、アテネの先生が高揚し始めました…。

「う~ん… このへん、かなり好きかも。引っ越してもいいくらい」
「スイスの先生は『リトル・イスタンブール』って呼んでたけど」
「僕のクライアントは中東系の人が多いから、こういう雰囲気に慣れてるんだよ」

アテネの先生のオフィスは、周囲が中東系の難民でいっぱいな場所。
反応するとは予測していたけど、まさかこれほどとは…
周囲のみんなが全部クライアントさん、つまりお客さんに見えるから?

・・・アテネの友人、探し直したほうがいいかも。(汗)

さて、トレス・エルマニョスへ入店したら… 数年来ない間に、かなり観光客向けに変貌していました。
僕たちの前にいた女子2名は朝鮮人だったし、以前は店内いっぱいにローカルな人々だったのが、もう観光客だらけというか… 観光客しかいない、というくらい客層が変化していました。少しガッカリ。

もらったメニューも英語版です。以前はスペイン語を読むのに苦労した記憶があるので、そんなのなかった。
でも、ついに店名の『Toxo トチョ』とは何かを解説した文章を発見!

内容的にはどうせもいいけど(ぉぃぉぃ)、この店の料理はガリシア地方(スペイン北西部・地図ではポルトガルの上)だというのが判りました。つか… 何度も来てて、そんなこと知らずに「美味い、美味い♪」って食べてました。(苦笑)

座って、ワインをグラスでもらおうか?と思ったら… 

 ハウス 白ワイン  11ユーロ
 ハウス  カヴァ  17ユーロ

え? まぢ??
750 ml の泡ワインを居酒屋で頼んで一本 2,000円くらいってこと??

「これ、ボトル売りの値段ですか?」
「そですけど」

泡がメッチャ安い。これだったら単なる白ワインじゃなくて、カヴァをボトルでもらいます!
ボトルごと来ました。地元のカヴァです。
ここはバルだし、姉さんが「かなり辛口だ」というのを信じました。

そしたら… お姉さん、カヴァのコルク抜きが怖いのかなんだか判らないけど、お兄さんを呼んできました。

もんもんをたくさんしょっている屈強な兄さんが、コルクを抜いてくれました。でもコルクを抜くときは プシュッ と静かに抜くし、グラスを傾けて静かに注ぐし、この兄さん、見かけによらず、できます。
泡の立ちすぎないゆっくりした注ぎ方で、もんもん兄さんのワイン愛が判るでしょ?

さっそく僕が味見をしてみたら… ブラン・ド・ブランだと言われても騙されそうなほど、シャルドネたくさん使ってますっぽい、柑橘系の酸味が強い、サッパリした味わいです。シャンパンみたいな深みは無くても、こういう切れの良い泡だったら、脂っこい料理や、シーフード系のおつまみにピッタリです♪

アテネの先生に任されて、一品毎に同意を得つつ、僕がオーダーを通しました。
プルポ・ガイェーガ、タコのガーリック仕上げ、パプリカふりかけ、プラスじゃがいも。

これはバルセロナでどこのバルでも定番ものですが、ここんちのはバランスがいいです。
タコがやわらか仕上げなうえ、ガーリックオイルやポテトも凄く美味しく感じられます。

タコを食する國からやってきたアテネの先生も絶賛でした。

そして、パタタス・ブラバス。揚げたジャガイモのピリ辛ソースです。
これもバルセロナのバルならどこにも置いてある定番メニューですが、おジャガの揚げ具合やかかっているソースの味わいで、出来映えがかなりばらつくというアイテムです。

この店の物は、辛いソースとアイオリソース… ソースが2種類かかかっています。
それに、ポテトが揚げたてで美味しい。パタタス・ブラバスでも最高の出来です。

パン・コン・トマテ、トマトとガーリックを擦り込んだトーストも、もらいました。
こちらは、もう必須アイテムです。頼んでないのに出てくるバルさえあるほどです。

アテネの先生によれば、ここんちのはどれも、使っているオリーブ油が凄く新鮮で美味しいそうです。オリーブ油の國から来たヒトが褒めてるんだから本当だと思います。

プルポ・ガイェーガを取り分けると、こんなです。
パプリカは色が派手でも風味が大人しいので、ガーリックオイルでタコと芋を食べている状況です。

そして最後に… セピア(墨イカ)のガーリックオイル炒めセットが到着。
あれ~? 確か以前出てきた時はイカだけだったのに、サラダやサーディーンまで添えてある。これも観光客向けにアレンジされた影響でしょうか… 5年以上のブランクは大きかった。

アテネの先生とアロス・ネグロ(イカ墨のパエリア)を食べた時に「墨だけじゃなくてセピアも食べたい」と言い出したアテネの先生… 僕がこの店を思い出した時、僕の脳内で思い浮かべたのは、こんな皿でした。
これが10年くらい前、スイスの先生が「セピアを」って注文かけて出てきた皿でした…。
丸ごとなのでゲソがくっついてるし、食感もすごくフカフカで柔らかいイカでした。

今回出てきたイカは… 充分に柔らかいけど、残念ながら記憶にあるほどの驚きは無かった。
でも、ガーリックオイルがベースになった調理だし、僕は添えてあるサーディーンとかサラダも嬉しかった。

どっちもどっちですが、全般的に「観光客向けに少しファンシーになった」のが悲しい。
でも、値段は据え置きというか、値上げされている感覚は無いほどのこなれた値段でした。

アテネの先生との会話は…

「昔はこんなじゃなかった。もっと、現地の人しかいなくて英語なんか通じなかった」
「今は SNS で情報が拡まるから、コリアンの女の子が少し物騒な地区に来るんだね…」
「インスタがある時代には『地元民が集まる密かな名店』は存在できないんだ。残念」

それでも、バルセロナのバルの中では、ここがお気に入りです。
アテネの先生も中東っぽい周囲の雰囲気がいたく気に入った模様。
バルセロナにやってきたら、是非また寄りたいお店です。

O"Toxo 3 Hermanos
Carrer del Carme, 59, 08001 Barcelona
Tel. +34 934 42 92 57

Hours
  Sun - Thu: 11:30 am - 11:30 pm
  Sat - Sun:  11:30 am - 12 am

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