Wednesday, June 29, 2022

Zeughauskeller

日曜日の晩ご飯は、ツォイクハウスケラー Zeughauskeller という、中心部のレストランへやってきました。
場所はシュプリングリのあるパラデプラッツから、ちょっと入ったところ。

エルメスのショップがある、ちょうどその裏側にあたる場所です。このレストランはアテネの先生の提案で、その昔先生がお嬢さんとチューリヒへ来た時に、一緒にやってきた店だそうです。

テラス席が気持ちよさそうなので、空いている席へ座りました。
僕の着席目線はこんな。

おばさん達の向こうに見える広場がパラデプラッツ、さらにその向こうの建物がシュプリングリです。

座って暫く経ったら、ゴロゴロ鳴っていた空から大粒の雨がザンザン。僕の晴れ男くんパワーは尽きた…。
パワーが尽きたら、その反動で酷い天候になるのは『天気の子』みたいで、ステキ!
ものすごい夕立になりました。臨席のおばさん、めげずに食べてるけど、もう無理でしょ…。

夕立は文字通りの通り雨で、パラソルの下にいた僕たちはほとんど濡れませんでしたが… 屋外は営業終了
店内で食べてくれって追い出されました…。

改めて座らせてもらったのは相席でしたが、臨席のカップルはすぐにお食事終了。
僕たちが頼んだアイテムがかさばるせいもあってか、その後は再度の相席を強いられませんでした。

「ツォイクハウスって Armory(武器庫)って意味なんだよ」
「なるほど。だから装飾に迫撃砲みたいなのまであるんだね」

アテネの先生は文系方面なら博学です。戦闘用具の知識が文系かどうかは微妙だけど…
確かに鎧とか斧くらいは中世の城に飾ってあったりするけど、入口の上に対空迎撃みたいなのがある… 永世中立。

でも天井の梁や、その間の装飾はスイスっぽいです。
活気もあっていい感じのお店ですが… やたら活気があるのに誰もマスクしていないのが怖い。

こんな環境下にずっと置かれていると、なんだかもう、新型コロナなんて染る気がしない。

注文かけて、まずはビールからすぐ届きました。
アテネの先生は Zeughauskeller House beer お店銘柄の生ビールをジョッキで。

僕はまたしてもアルコールフリーのビールなので、瓶詰めです。
Eichhof – non-alcoholic という銘柄のビールでしたが、ごく普通においしい。

最近ノンアルコールのビールばっかり飲んでて、何の抵抗も感じなくなりました。
それだけ昔のノンアルコールものより風味が改善されているんだと思います。

最初に届いたのは期間限定品、白アスパラガス Weiß Spargel です。 ベアネーゼソースとともに。
出てきたのは、こんなです。メニュー上では『緑と白のアスパラガス盛り合わせ』となっているのを白アスパラだけを食べたいって、お願いしました。5.5 フランの追加料金で、望み通りに全部白アスパラにしてくれました。

ベアネーゼソースをかけて、エン・グエッテ♪(いただきます♪)
旬の白アスパラ、やっぱり美味しいです。これを食すると、春爛漫の欧州へやってきた感が盛り上がります。今まで白アスパラはワインと一緒に食していましたが、ビールにもとてもよく合うのでビックリしました。

僕が喜々として食べ進めるので、アテネの先生は遠慮してくれて、僕が3分の2以上たいらげました。

白アスパラをやっつけ終える頃… 本日の注文が届きました。どデカいので周囲の注目を引きます。
Mayor's Sword   To share for 2 persons 市長の剣(二人前)
400g of marinated baby-beef steaks, pounded thin, wrapped around the sword blade and grilled lean, served with a bowl of mixed salad, Rösti or French fries, served with a curry-garlic and barbecue sauce
400グラムのマリネした牛肉を薄く延ばし、剣の刃に巻き付けてグリルしたもの。ミックスサラダ、レシュティ(またはフレンチフライ)とともに。カレーガーリック風味とBBQ風味のソース添え。

剣に巻き付いた牛肉を、こうやって開いていきます…。
なまくら刀でしょうけど、肉は簡単に外れました。

剣を外したら、こんなです。
肉はこの状態から食べ進みますが…

剣のほうはアテネの先生に手渡され「今のうちに記念写真をどうぞ♪」って。
せんせい・・・なんか、目が逝っちゃってて怖いです。刃物を渡していい状況だとは思えません。

ほら、やっぱり少し逝っちゃってるまんまだから、こんなポーズ決めるし。
アテネの先生… 目がガラス玉みたいで、私とっても怖かったわ。(まぢ)

そして、手元には各自にレシュティがまるまる一個。
このレシュティ… 結構おいしいけど、デカすぎ!!

サラダは上の方にマーシュが載せてあるけど、下はアイスバーグレタスが中心。
でも、フレンチドレッシングにマスタード加えたような味のドレッシングで美味しかったよ。

添付のソースはこのふたつ。
カレーガーリックと記載されたソースは、カレーはおだやかで、ほぼガーリックマヨネーズみたいな味でした。BBQ ソースはまんま甘ったるい BBQ 味で、アメリカンな僕にはど真ん中な風味、かなり気に入りました。一方、アテネの先生はガーリック味が気に入って、キチンと「棲み分け」が成り立ちました。

そして、テーブルの中央を横断する剣と、そこにはびこりついていた牛肉が…。
「ちゃんと半分こしよう♪」って、アテネの先生が牛肉を真ん中で切断したけど…
「僕はアスパラでかなりおなかいっぱい」と、肉を遠慮気味にいただきました。

肉を少し取り分けて、BBQ ソースを塗って、サラダも盛って…
最初はこんな状態で、また エン・グエッテ♪

にくは… このくらいを2切れ食べて、もう無理。レシュティは半分以上アテネの先生に手伝ってもらいました。
白アスパラガスが幸せだったから、肉のほうは写真さえ撮れればどうでもいいです。(正直者)

おなかいっぱいすぎて、デザートはもう無理。
お会計を済ませて、出てきたら外は暗くなってきました。これで午後10時前くらいだったかな。

ここ、有名店すぎて観光客でいっぱいですが、チューリヒ中心部で伝統的スイス料理を食するならお勧めです。

Zeughauskeller
Bahnhofstrasse 28A, 8001 Zürich, Switzerland
+41442201515
zeughauskeller.ch

  §

そして…「おなかがこなれるように、ホテルまで歩いて帰ろう!って言い出す、アテネの先生。
「まじッすか? 歩いたら30分くらいかかるよ?
「一緒に歩くのがイヤなら、トラムで帰っていいよ。僕は歩く」

なんだか強情だな。カロリー消費できるし、いいよつきあうよ。
駅前通りを歩ききって、チューリヒ湖畔に達しました。

「あ。イカロスの像だ!」
「でも羽が生えてないよ?」
「隣にいるトリの羽をもいで、自分に貼り付けるんじゃないの?」
「・・・それは新説だ!(爆) ギリシャ神話の新解釈だ!」

爆笑し始めたアテネの先生。暗がりでも像を見定められる位置まで来て…
「これは… ガニメデって書いてある! イカロスじゃないだろ!!」
「・・・どこが違うの?

呆れ果てたアテネの先生、今回はギリシャ神話の講釈をしてくれませんでした。www

これきっと日本神話に置き換えたら、ヤマトタケル と オオクニヌシノミコト の区別がつかない状態?

先生、ギリシャ神話を聞かせてくれ、「××× はゼウスが設けた子」とか話します。
僕のリアクションは「すると、ゼウスは動物とFァックしたわけ?」と聞き返す。

ギリシャ神話の、あまりもの壮大な獣姦とか近親姦とかのストーリーに、ちむどんどんしてきます。

やがて、きらびやかなサーカス会場を通り過ぎ、ホテルへ帰り着く頃にはすっかり暗くなりました。
でもまた激ピンクの照明が点ってて、アラブのお金持ちの兄さん姉さんが踊り狂ってるし。

アラブ人…ギリシャじゃないほうの真面目な神様に滅ぼされて塩になればいい、と思いながら、横っちょから帰還。
明日の朝にちゃんと起きられるように目覚ましをみっつかけて、ぐっすり休みました。

次回からはサンフランシスコへ帰る、復路の記事になります。

Monday, June 27, 2022

Le Corbusier House

トラムに乗ってやってきたのは… ル・コルビジェの家  Pavillon Le Corbusier です。
ルービックキューブをモチーフに建てられたという家は、確かに…。

でも、ル・コルビジェっぽいし、ウォールウインドウがいかにもスイスっぽい。
ここ、ル・コルビジェ ハウスは Zurich Card を提示すると入館無料になります。CHF12 セーブできました。

入るとこんな景色。新緑の時期なので窓外が美しいです。積雪の時期も綺麗なのかも。
こういう場所は、スイスの先生には案内されませんでしたから、新鮮です。

すごくコンテンポラリなキッチン。
実際の使い勝手はどうだか判りませんが、動線は悪くなさそうです。

広々としたダイニング?が拡がっていますが… だんだん柱の太さが気になってきました。
この広さで、こんな鉄骨で充分な強度が出ているのか、なんとなく心配。

しかも、近寄って見てみると… こんなでした。アメリカのツーバイフォー工法のほうがよっぽど丈夫そうに見える。
薄っぺらい L 字型の鉄骨をボルトとナットで締め付けて強度出してる… 山岡さん、私なんだか怖いわ。

みんなこんな。これじゃ… これじゃ… まるでプレハブじゃないか!!
見学者が少ないからいいようなものの、入場制限しないとペシャンコにならないか心配。

さらに、コンセントの差し込み口が独特です。
床から貯金箱郵便ポストの赤ちゃんみたいなのが生えている?と思ったら、AC電源。

・・・神は細部に宿る。←ほぼ諦観w
まぁ、これはこれで、いいかも。浸水して床が水浸しになっても、漏電しないしね。

中庭に出ると…
ルービックキューブというより、写真大でやらされたカラーコンポジションの練習みたい。

階段はふたつあって、グルグル方形に廻って昇り降りする階段はこれです。
造形的には美しいです… 細い鉄骨のペナペナな建物にマッチしていると思います。

それと、この建物って… 冷暖房が大変そうだと思いました。

階段を上がってみると、こういう景色が展開しています。
なんか、誰かが住むという事を想定しているとは思えないんですが…。

こんなに広々した空間があるけど、鉄骨が無様に感じるのは僕だけ??
でも、これはこれで・・・(以下略w)

新緑の窓外を眺めながら、リラックスできそうですが…
なんか、使い古されて禿げちゃってるのがイタすぎます。

来た時期が良かったので、絵にはなります。
スイス人って、ホントにウォールウィンドウが大好きだと思います。

ダブルペーン(二重硝子)なので断熱性は確保されているんでしょうが、掃除とか大変そう。

ベランダ相当の場所に出てみたら、ここはさらにカッコイイ。
座ったら気持ちよさそうだけど… う~んって背伸びして、うっかり寄りかかりすぎたら下に落ちそうな設計。w

ベランダからはスロープで上下できるようになっていました。
多分後付けでバリアフリー化を果たしたんだと思います。

スロープから1階へ降りる時の景色。
まさにルービックキューブみたいで、ものすごくカラフル。

このスロープで、そのまんま地下へも降りられます。
内側はシンプルな、コンクリ打ちっ放し風。

地階は… やっと美術館っぽくなってきたというか、ここだけ展示場っぽい。
ビデオ流してたり、資料文献を雑に並べてたり。

ぁぁ… なんだかアテネの先生が好きそうな絵もあるし。
とりあえずカラースキームはきちんと揃えてあるので、美術系の学校を出た人間には気持ちイイです。

さっきの角回り階段の地下部分は、こうなってました。
奥の赤い扉のあたりにおトイレがありますが、男子用は足でセンサーを踏むと流れる不思議なトイレでした。

本棚に、この建物についての書籍を発見。
ルービックキューブよりも、それを持ってる「目の座った柴咲コウ」みたいな姐さんが怖い。

Zurich Card のおかげで、無料拝観できました♪ もしも CHF12 取られていたら… 微妙。
湖畔を歩いていてここまで来ちゃったら、観て損は無いと思います。

Pavillon Le Corbusier
Höschgasse 8, 8008 Zürich, Switzerland
+41 43 446 44 68
pavillon-le-corbusier.ch

歩くの大好きアテネの先生… ホテルまで、また歩いて帰るハメになりました。
まぁ、健康にはいいんだけどね。でも日曜日で、ヒトが少し大杉。もちろんマスク皆無。

僕はジェラートの屋台を発見!!
マンゴーのジェラートを買って、上機嫌でホテルまで歩いて帰れました。

もし何も口に含まずに歩いていたら、だんだん毒づくようになって先生を困らせたと思います。(爆)