Monday, August 30, 2021

Pandra (2)

※ アテネ旅行記 ― 第弐回、第六話 ※

またアクロフォビアへやってきて、パイの店 パンドラ ΠΑΝ:ΔΩΡA へ寄っていきました。
通算で5回現れたあたりで、DQNな東洋人の爺さんは、さすがに顔を覚えられました…。
正確には、パン:ドラ というふうに、2語に分かれている?店名ですが… その理由はギリシア語が不堪能なので、この記事を綴っている時点では「おソノさん」から伺えていません。

「今日はどんなんがあるかな~♪」って店頭の写真を撮っていたら、おソノさんが・・・
「写真か? こっち! こっち!!」って急かすので、店内へ入ったら…

「撮れ、こいつらを撮れ。いま丁度パイを造っている!!」
半分ギリシア語のままで言われたけど、言わんとする事はとても良く判った。(笑)
へ~。生地は最初に機械のローラーである程度まで整えるんですね。見せてもらうと勉強になります。

でも、Handmaid Traditional Pie を謳うだけあって、最後の仕上げはハンドメイド。
おばちゃん… 麺棒で生地をどんどん薄く延ばしていきます。

ほんの1分足らずで薄~く延ばされた生地を、間にオイルを敷いて型に敷き詰めていきます。
見ていて最初に思ったことは… 「ギリシア人の女性って、メキシコ人と見分けがつかん」
特に「おっかさんな仕事」をこなしていると中米っぽく見えるのは偏見でしょうか?(汗)

ちなみに、ギリシア人の男性は中米やトルコの男性とはっきり違います。断然ガタイが良い。

で… パンドラへ至るまでの路上、歩道にこんなガラス張りの部分があります。
最初は地下室への明かり取りか何かだと勘違いしました。

ガラスの上にやってきて、なるほど紀元前くらいから文明が花開いた土地柄だ、と思いました。
地面を掘ってたら、モザイク画が出てきたんですね。イスタンブールもそうだけど、地面を掘る工事って年がら年中遺跡を掘り当てちゃって中断しまくりになるみたい。遺跡の上に住んでるだもんね…。

  §

そうそう。ギリシア風アイスコーヒーを透明なカップで受け取った時に写真撮っておいたよ。
こうなってます。
上の方が真っ白で、体積的には大部分がクリーミィな物体なのに注目、でも底はエスプレッソ。

淹れるところを見ていたら、基本的に萬屋のガイアと淹れ方はほぼ一緒。

ダブルエスプレッソを淹れたらカップに用意したゴロゴロの氷で冷やして、その上に冷凍庫で半分凍らせた牛乳と生クリームのハーフ&ハーフ」くらいの乳製品をブレンダーにかけてホイップしたものを、上からドロドロかけて出来上がりです。ギリシア風だとどこのアイスコーヒーもものすごい濃厚なんですが、やっぱしガイアのが一番コクがあります。冷凍してある乳製品の他に軽く何か足しているみたい。練乳を入れてくれたらきっと美味しいと思うけど、風味がいきなりアジアにころぶだろうし…(笑)

でも、この2回目の遠征が終わって月曜に帰ったけど、火曜日の8月3日が最高気温47.1℃を記録した記録的な猛暑でした。なので、滞在中の日曜日も40℃超えで、店頭のパラソルの下に座っていると、いい風が吹くけど… 熱風。なんだかヘアドライヤーで炙られているようで、アイスコーヒーかかえてホテルの部屋にさっさと戻りました。

次回は8月11日からの予定でしたが、Family Emergency のため急遽予定をキャンセル。もし8月末に出発できそうなら行ってきますが、でなけりゃ次回は早くても9月中旬です。猛暑の時期を避けられるのは逆にラッキーではありますが、なんとかして11月末までには 3,000 PQM を飛んで1K® 更新する気満々です。(苦笑)

  §

さて、毎度毎度、パイを2~3個買ってホテルの部屋へ戻ってきます。
これを撮ったときの具は、フェタチーズとスイートパンプキン。

フェタチーズのフィリングは、見た目も真っ白。
味は濃厚です。アメリカで売っているフェタよりも風味がハッキリとチーズっぽい。

でも、やっぱりアッサリしすぎたチーズの味で、あんまり好きくない。注文する時にうっかり「チーズのパイを」とだけ、おソノさんに伝えたのが失敗でした。「チーズ」のデフォはフェタなんですよね…。(苦笑)

こっちは、スイートパンプキンのパイ。
アメリカでハロウィーンの時にみんなが食べるパイと基本的に同じ材料なんですが… 全然違う

これは持って帰ってパンプキン好きな人に食べさせたいくらい美味しい。シナモンやナツメグが控えめで、甘さはパンプキンの素材の甘さに委ねていると思われる、素朴な味わい。でも風味の奥行きが深いのにビックリ。

写真には撮りませんでしたが、マッシュルームのパイがある日は必ずそれも買います。
あとは「ミルク」というパイが優しい風味で朝食にピッタリ。これにもハマりました。

ここはアクロフォビアまで来る度に必ずパイを買い求めるようになりました。
上写真のカップルは北欧かオランダあたりから。英語うまいけどRにクセがあって判る。
コーヒーの美味しい店を探していると言うから、パンドラのお向かいの店を紹介しました。(笑)

引き続き秋にもアテネに通う予定なので、季節にあわせた素材が出てくるか楽しみです。

PANDORA ΠΑΝ:ΔΩΡA
Lempesi 1, Athina 117 42, Greece
+302109227782
Hours:
  Monday - Friday: 8:30 AM - 8 PM
  Saturday:  8:30 AM - 5 PM
  Sunday:    9:00 AM - 5 PM

Saturday, August 28, 2021

Première

  ※ アテネ旅行記 ― 第弐回、第五話 ※


アテネへ到着した日の夕方。

やはりプレミアム・プラス席ではゆったり眠れなかったせいなのか疲れが貯まってっぽい。
そこで外出せずに、地上階のバーで軽く食べて寝よう。と、To Bar というコーナーへ向かいました。

ところが… 誰もいない。

やがてバーテンダーと思しきお姉さんが通りかかって「18時でおしまいよ♪」だって。
午後6時で営業を終えるバーって、なんなんだよ!?

憎むべきは新型コロナ!!

まだこんなに明るいのに… スナック軽くつまんだら部屋に戻って寝るつもりだったのに。
どうしよう。ルームサービスって料理が冷めてるっぽくてホントは好きくないんだよね…。

…とか思っていたら「18時から最上階のプレミエールが営業するわよ」って、お姉さんが教えてくれました。

COVIDじゃない時は19時半からの営業だったのが、バーの閉店にリンクさせて営業開始する模様です。

・・・で、涼しい屋内からアクロフォビアの廃墟を見ることができたわけだ。
手前に見えるのはピレウス銀行のてっぺんに張られた太陽電池パネル。
その先に大理石の廃墟が見えて、なんともシュールな景観はアテネならでは?

9階まで行くエレベータは一基だけで、うっかりクラブフロアの8階で降りたら…
レストラン・プレミエール Première の入口階段がありました。

階段をグルグル登ると、盾がいっぱい納められたガラスケーズが。
ミシュラン他のグルメコンテストで選出された記念の盾がいっぱい… アテネの名店ですね。

そして、もう一歩入ったら、変な赤い奴が。
レストラン入口がバーコーナーになっているみたいですが、そこに設置されています。

この、なんとも評価しがたいシュールな彫刻は…
確認してきませんでしたが、入口に設置された変な青い奴と同じ作家の作風と思われます。

こっちが入口の変な青い奴です。
どうせならもっとアブストラクトな作品のほうが、客としては安心できると思うが。

で、現地からの投稿に書いたように、バーでスナックかっ込んで寝るつもりだった。
そのため、短パンにTシャツのまま着替えずにやって来たので、凄く気が引けます。

笑顔で出迎えてくれたメートルさんに「ドレスコード違反しまくってますが…」と問うたら…
「夏ですから。皆さんカジュアルで全然かまいません」と、快く席へ通してくれました。

確かに、後で隣席に来たアメリカ人の家族連れも、短パンにTシャツでした。
アメリカ野郎は短パンにTシャツだと、レストラン側も気づいているんでしょう。
(ちなみに僕は寝間着用のMITロゴのTシャツだから、アメリカがバレバレ)

アクロフォビアの見える窓際の涼しい席が、このへん。
でも… 後から来た客の3分の2は屋外のテラス席に。

まだ日没前で、テラスは35℃くらいあるはず。ギリシア人、耐熱性がハンパない!!

バーで食事するつもりのままなので、iPadなんかもかかえてました。
ホテルの内部なので、Wi-Fi がそのまま繋がってるから、計測した。
下り 43Mbps くらいで、PING反射は 5ms と、なかなか優秀な数値。

食後少しして導眠剤を使うつもりなので酔うと困るから、飲み物は炭酸水とオレンジジュースを。
そして、ゴボゴボと炭酸水が注がれるグラスの向こうにはアクロフォビア神殿が。

お料理が届く前に、ウエイターさんが木箱を持ってきてくれました。
バターが添えられていたので蓋を開ける前にパンだと判ったけど… なんだか仰々しいかも。

中味は、こんな。
白いの、黒いの、ブツブツの3種類のパン。(なんとなくレイシスト?)

パンに手をつける元気もなく、いきなりのメインを待つこと数分。焼き上がり♪
Greek Moussaka, ground beef & Béchamel sauce 19,50€

ムサカです。第壱回アテネ遠征でも試した2軒のムサカと食べ比べます。
(しかし…『遠征』とか呼ぶと、南極にでも出かけてきたみたいで笑える)

フォークを入れてすぐ判るのが、ベシャメルソースがテロテロにゆるい。
でもグラタンとかを考えたら、こっちのが普通かも。

とてもクリーミィで濃厚なベシャメルソースに包まれて、茄子と馬鈴薯が一層づつ。間に挽肉。
変に層を重ねない代わりに、極上の材料を使った挽肉とソースでまとめてあります。
風味としては、今まで62年間生きた間に食べたムサカでいちばん高級な味がしました。

でも、必ずしも材料鵜が高ければいちばん美味しいわけでもないかも。
ライオン堂のムサカは野菜の素材がしっかり美味しくてみっしりした味。
アルカイダのムサカはミートソースがおいしくて、風味がおだやか。

美味しいラーメン屋さんがいっぱいあるように、美味しいムサカがいっぱいあってもいいと思った。

あとはエスプレッソとデザートをもらいます。
シングルショットのエスプレッソに、甘味料が3種類。(笑)

そして… 夕暮れ迫るアクロフォビアを眺めていると、デザートが届きました。
ちょっぴりファンシーで、ミシュラン評価が付く店だけのことはあります。

Light Yoghurt Mousse with Red Fruits and a crispy Biscuit with raisins and Quaker 10,50€
軽やかなヨーグルトのムースに赤いベリー、クエーカーと干し葡萄入りのビスキュイ

和訳がいいかげんですが… 赤スグリのボンボンの中はこうなってて、確かにヨーグルト風味のムースです。
てっぺんはアイスのようでも、実際はラズベリー風味の濃厚クリーム。酸味のあるレッドチョコレートの板と、確かに「クエーカー」シリアルやレーズン味のするビスケットがベースに敷いてありました。

チョコレート系のデザートよりも軽快で、疲れた体には丁度いい。

ウエイターくんやメートルさんへドレスコード違反のお詫びを申し上げつつ、退散しました。
次回はポロシャツでもいいから、ちゃんと襟のついた上着で訪れたいと思います。
(実践女学院卒の祖母に「襟の無い服で食堂へ行っちゃダメ」と厳しく教え込まれました)

自分が寝泊まりしている建物の最上階に美味しい店があるから、活用したいです。

Première
9F, InterContinental Athenaeum Athens / Siggrou 89-93, Athina 117 45, Greece
Tel. +30 21 0920 698
Hours:
  *Currently 6 - 11 PM due to COVID
  Mon - Sat: 7:30 PM - 12 AM
  Sun: 12 - 5 PM, 7:30 PM - 12 AM

Friday, August 27, 2021

やられたら、やりかえします。

アフガニスタンから米軍が撤収する件ですが…

さっそくイスラム国の分店「IS-K」やらが空港周辺にアッラー・アクバルくんを派遣し、爆発させてます。

我が合衆国軍の血を流してしまったので、温厚なバイデンさんもめっさキレまくりました。
そして、IS-K の拠点に対して無人ドローン攻撃を行った模様です。
カブール空港での自爆テロ攻撃を立案したやつらは、完全に沈黙。

こういうのを見るにつけ聞くにつけ、小学校1年生の日直を思い出します。
日直さんは『きょうのもくひょう』を自分で考えて、年月日とともに黒板の隅っこに書きます。

僕は『きょうのもくひょう』に、こう書きました。

 やられたら、やりかえします。

すると…授業が始まる時に担任のアキヨ先生に呼ばれ「このもくひょうは、よくないわねと言われました。

成績優秀で体育以外はオール5の私が先生に「よくない」と言われ、酷く傷つきました。

でも成長するにつれ… 世の中は「やられたら、やりかえす」で成り立っていると断定!
アキヨ先生… 僕は6歳にしてこの世の摂理を見通していたわけです!(えっへん)

さらに「やられたら、やりかえす」というハムラビ法典そのままな合衆国市民になり、自信を深めました。w

T学園で『神は愛なり』とか『右をぶたれたら左もぶって♪』とか聞いた覚えがありますが…
やはり、やられたら、やりかえします。がこの世の真実です。

Thursday, August 26, 2021

Metro to the Hotel

※ アテネ旅行記 ― 第弐回、第四話 ※

前回はスリスリや強盗さんとのトラブルを警戒して高速バスを使いました。
でも… COVID対策で乗車率を抑えているので、多分メトロでも大丈夫そう。

で、メトロと郊外鉄道の駅へ向かいますが… ターミナル地下ではなく、外にあります。
ターミナルを出て。いま正午過ぎで気温は35℃くらい。かなり暑い。

出発階から、こんなブリッジが延びています。
このブリッジの先が駅です。

特に冷房しているとは思えないけど、とりあえず外よりはましな気温の通路。
この 200m くらいある長~い通路を、動く歩道ふたつ乗り継いでから駅に入ります。

駅の構内を見たの図。
きっぷ売り場、ホームへのエスカレーター等の標識があります。

僕は欧州にある券売機が正常動作しているとは、原則信じません。
空いていた窓口のおっさんにアテナカードを渡して「シンタグマ」と告げます。
ここでも5日間のパスを同時に買えますが… 多重入力の成功を信じていません。(苦笑)

で、リチャージしてもらったカードで入場して、ホームへ。
かたっぽが郊外鉄道、かたっぽがメトロのホームです。

営団日比谷線と東急が乗り入れていた、かつての中目黒駅みたいなものでしょうか。

ホームにはそれなりの乗客が。なにせ市内で10分おきのメトロも、空港駅まで来る電車は30分おき。
風が吹いているけど、ヘアドライヤーであぶられているように暑い!

ふと線路を見たら、強風で飛ばされたと思しき帽子が。
まだ新品同様。もったいないけど盗りにいく元気も無い。

やがて電車がやってきました。
ブルーで示されるM3線のメトロですが、車輌はブルーではなくオレンジの線が入っています。

反対側のホームに到着客を降ろしたら、ドアが開いて乗車。
凄い!  すずしい!!

アタリの車輌が来てくれました。多少は換気していますが、エアコンがちゃんと効いてる!

それでも盗難防止のため窓側に荷物を置いて座って、出発を待ちました。
まもなくドアが閉まって出発。こないだはバスで通った高速道路と併走しながら市内へ向かいます。

最初の部分は郊外鉄道と線路を共用しているようで、4駅ほど行ったらメトロ専用になって地下へ潜りました。

ドアが閉まってから43分でシンタグマ駅に到着。

またきっぷ売り場の窓口へ行って、今度は5日間パスを購入します。

 …で、係員がリチャージしたら… エラー音が。

係員のおじさんに「空港駅で空港からの片道をリチャージした」と告げたら「前回の操作ミスだ…」そうで、やっぱりギリシアの鐵道係員を「原則、信じない」というスタンスは大正解のようです。

駅から出たら、シンタグマ広場。
ピンクの政府庁舎前にある噴水が清々しく見えますが… ホントはすっげー暑い。もう40℃?

汗だくだくで冷房の効いたトラムに乗って、涼む間もなくカスムーリ駅へ到着。
駅からホテルまで200mくらい。ちいさな公園の横を歩いている間にも汗がでてきます。

インターコンチネンタル・アテネに到着です。
変な青い奴の向こう側にあるレセプションでチェックインしたら、アーリーチェックインOK!…もうあと1時間で3時のチェックイン開始だから、そりゃさすがに準備できてるでしょ。

有り難く6階の部屋でシャワーを浴び、「ガイア」へギリシア風アイスコーヒーを買いに行きました。