Thursday, February 9, 2017

United Polaris™ Business on SFO/FRA

【注】タイトルの ™ は,ホントは SM (Service Mark) ですが,略号の記号フォントが無いため,™ で代用しています。

2017年になってからも1K3MMを目指しつつ,すでにバルセロナ,東京そしてイスタンブールと飛んでいます。そしてユナイテッド航空の「ジャンボジェット」ボーイング747-400(744)は今年で引退。いま飛んでいる744はエンジンショップのあるサンフランシスコ空港に集結,友人のオーマイさんがいうには『SFOは744の墓場』だということです。

そんななかで,United PolarisSM という Delta ONE に対抗したとしか思えないwシン・ブランド展開。744でも BusinessFirst® から United PolarisSM Business へクラス名称が変更されましたが,フランクフルト線の往復でどう変わっているかをレポートしてみます。
まず,シートはそのまんま。どうせ11月になったら退役しちゃうから,しょうがないよね...。

でもベッディング用品はサックス・フィフスアベニューと一緒に考えたシン・マクラとシン・モウフに変わりました。
枕は大小ふたつでフカフカだけど,こんなにいらんかも。毛布はANAのファーストでも使われているグレーでヘリンボーン柄の Tenerita か!?...と思わせるパチもんの薄手の毛布と,大きめなキルティング風な羽布団。UA機内は寒いと好評ですが,暑がりの僕にはこの羽布団は暑い・大きい・無駄。速攻でオーバーヘッドビンへ収納して,薄い毛布だけ利用しました。(エコノミー慣れした体の自分が次第に嫌いになってゆく...(笑))

そして,ウェルカムドリンクのサービングまでアップグレード。あとで劣化するのが怖いほどの力の入れよう。
見よ,この屹立してグラスに深々と挿入される構造のプレートを... 案の定,13A/B席(後ろ向きなので様子が丸見えw)で,カップを抜いたり刺したりしてニマニマする変態カップルがいました。そして,その♂側プレートにはチョコレートがひとかけら添えられてきます。チョコが甘いからオレンジジュースを頼んで失敗しました。この改良はスパークリングワインを想定したと思われ。

さて,そのスパークリングワインですが... ウェルカムはクレマンだけど,本番はシャンパーニュ。
ジョセフ・ペリエのブリュット,キュヴェ・ロワイヤル(久しぶりにカナ表記したかもw)

シャルドネ,ピノ・ノワールそしてムニエがバランス良くブレンドされたクセの無い風味。
これは往路UA58便ですが... ナッツが変化してます。をを,緑色のものはピスタチオ!?と感動させておいて,実は大豆でした。やはり節分の時期だったからでしょうか?(笑) 復路UA59便では普通にアーモンド&カシューに戻っていました。

さて,やはりいちばん気になるし,実際おおきく改善されたと言えるのが機内食です。

愛毒書wと呼ばれる,配布されたメニューのうちからコースの英語版を抜き出したのが,こちら(PDF,2ページで約2MB)

まず往路のUA58便から。テーブルクロスやSP(塩胡椒)まで徹底的に変更されています。
スタータはサラダが尋常なサイズ(爆)になり,気の利いたコールドアペタイザとともに。
タイ風レモングラス風味の海老とグリーンパパイヤにマンゴ。ベビースピナッチにフルーツが入ったサラダ,南瓜の種載せ。パンはほぼ無理矢理にガーリックトーストまで置いていってくれました。

そして,メインコースは5種類から選べるようになりました。

「アジア風チキンスープ」のタイ風ココナッツ+ジンジャークリーム風味というのにも心は揺らいだのですが,朝鮮風の鶏にうどん,という組み合わせ表記を発見し,その部分でかなり引き,やめておきました。

ショートリブを選んでみました。2ミリオンマイラーなので第弐希望は必要なし。
バーベキューソースのショートリブ,グリッツ,ソラマメに椎茸炒め,チェリートマトとエシャロット。悪くないです。いやに量が多くなったように感じるのはPAXの僕の方が還暦近くなって劣化したせいでしょう。

そして「世界のチーズセレクション」は「世界のチーズアソートメント」に名称変更。
ここは名前が変わった以外,あんまり変わりません。

甘党の人には朗報なのが,最後のデザートコースがバラエティ豊かになったこと。
カスタマイズできるアイスクリームサンデーは器が変わった以外,以前と同様です。さらにプチフールみたいなのもカートに積んでいて好きなだけ選べます。この時はフランボワーズ&クリームとティラミスをもらったら,スプーンまでふたつくれました。コーヒーは就寝前なので Illy のデキャフェで。

ミッドフライトスナックは冷製ならサンドイッチ,フルーツプレート,チーズなどが,温かいものはロブスター・マカロニチーズやトマトスープ等が用意されているようですが... しっかり眠っていて未体験。

着陸前のお食事はホットまたはコールドの2種から選択。ここは大きな変更はありません。
フルーツプレートが大きくなってシリアルが小型化したのは個人的には改善と認めます。


そして復路のUA59便。キャプテンがコレクティブルなカードを配りつつ挨拶回りに。
「わーい♪ これが最後のB744のカードになるかも?」って喜んでみせたら,キャプテンは
「そう... 747は11月でリタイアなんだよね...」って遠い目。
「個人的な質問していい?744がリタイアしたらライセンスはどうするつもり?777あるいは787?」
「777はもう持ってて,いま787の訓練中だから,まだユナイテッドを飛ばすよ」
僕は(それってランボルギーニのトラクターもアヴェンタドールも運転できるのと一緒だな?)と感心しました。

さて,UA59便のスタータです。僕の視点ではアペタイザが「やっちまった」状態でした。
山葵を詰めたスモークサーモン...これは,日本人的には「やっちまってる。」(笑)
リカバリーしようとしたのか?ガリ生姜を添えてみたのが,かえってイタイ!

その一方で,フェンネルのスライスやオレンジの入ったサラダは上質でした。

メインコースから鶏が消えたのも驚き。替わりに配属された鳥類は,まさかのカモ料理!?

カモの胸肉ポートワインソース,ポテトダンプリング,赤キャベツ炒め。
カモがデカイ...。フレンチビストロで出てくる2倍,ミシュラン星持ち店の5倍はある。

ポートソースがイマイチなのと,食品衛生管理上,家禽類は高温処理が必要なために,お上品なレストランで食べるよりも火が入りすぎているけど,ユナイテッドの機内食でカモが出てくるのには驚きました。

で... この紫キャベツの炒め物が... 同じドイツ語圏のフランクフルトとチューリヒだから当然といえば当然でしょうが,故S.A.博士の得意な添え物に見かけも風味もそっくりで泣きたくなりました。さらにポテトダンプリング Kartoffelknödel は博士と初めてフランクフルトを旅した際に「地元の名物だから試してみなさい」と博士に勧められて体験した一品。失った大切な人を思い出させてくれるお皿で,味の評価そこそこに個人的に深い感銘を受けていました。

そして,チーズコースを飛ばしてデザートにいきました。
この時はほぼ僕的にデフォルトな「チョコファッジ+ホイップ+スライスアーモンドにチェリー載せ」で組んでもらって,さらにいろいろなカラーのフレンチマカロンからフランボワーズとピスタチオを所望。

「フランボワ...(いかん,英語でないと通じない)ラズベリーとピスタチオのマカロンを。」
「あれ?これはMatcha(抹茶)だと思うわよ?」
「ナッツのクランブルがかけてあるほうがピスタチオ,抹茶は濃い緑色のほう。」
「あ,ホントだ! 凄い! あなたアテンダントで働けるわよ!?(爆)」
「そんなことしたら苦労して Lifetime 1K® になるのが無駄になるでしょ!」
「あ,そうだわね。でもジャンプシートであちこち行くのも楽しいわよ♪」

CAさんの心を揺さぶる発言は,荒野で修行中にかかった悪魔の囁きだと確信しました。ゴールは近いです。

で,復路でも途中のスナックは食べず,ひたすら寝ました。
レンジでチンするだけでしょうが,ビーフシチューとかも用意されているようで改善されています。その一方で,あの温かいミッドフライトスナック「きつねらーめん」は復活していないだろうか?と不安になったり。(笑)

SFOへ到着1時間前くらいに出してもらった2食目は,デリ風のコールドミールを。
生ハムとメロンを組み合わせていただくのは申すまでもありません。あとはパンにバターを塗ってソフトサラミとチーズをはさんだサンドイッチを作ったり,ブルーチーズはピクルスやパールオニオン,オリーブと一緒に愉しめました。ニンジンとセロリは僕にとっては飾り物です。

以上,United PolarisSM Business は BusinessFirst® から明らかに改善されており,いつもの「ユナイテッドを買い取ってくれて,ありがとうコンチネンタル航空!」を高らかに叫びたい気分でした。

再来週はB787-9のUA1便でシンガポールに向かい,12時間以上の長距離便で供されるという寝間着とかも体験しますが,やはり2017年は747-400の屋根裏が乗り納め。この後もまたフランクフルトや成田へ飛び回っておく予定です。

ちなみに,この旅ではライカを持って行かなかったよ。写真はぜんぶiPhoneで撮影。もうカメラいらんかも...。