先月、2018年の9月で2019年の Premier® 1K® が確定しました。2011年にリーマンショックの影響がガラス工芸業界にも訪れてしまい1Kを維持するほど飛べなかった1年を除けば、2000年の10月から毎年1Kを維持してきました。累積18年1K会員をやっているうちに、ユナイテッド航空が Chapter 11(日本の会社更生法適用に相当)を取ったり、コンチネンタル航空と合併し事実上はUNITEDの名前だけ残してコンチネンタル航空に変化していく様子をタプーリ体験してきました。そしてこの間に、個人的にも2000年に米国の永住権を取得し、その後2006年に合衆国市民となりました。
以上の体験に基づいて『ユナイテッド航空と付き合う術』を、歪んだ私見を基にまとめてみたいと思います。
【教訓1】ユナイテッド航空はセフレだと思え。
いきなり凄い台詞でインパクトを持たせましたが...
・向こうから一方的にルールをコロコロ変えてくる。(もち MileagePlus のことですw)
・うかつにも愛してしまうといつか必ず裏切られる。(書いていて、すげーイタイ)
・斬新、新鮮な内容は、あっという間に劣化していく。(セフレだけに限らないかも...)
他にもいろいろ挙げればきりがありませんが、最初から「どうせセフレだから…」って割切って付き合えば幸せに。 些少のお金で少しの間だけイイ気持ちにさせてくれる。と考えれば、わがままを言う自分のほうが変だと気づくはず。
そうしたら... MileagePlus® というのは援助交際だと思えばいいんです!!
・すべてのルールは向こうが勝手に決めます。
・好意的にしても、いずれ必ず裏切られます。
・付き合ううち、どんどん内容が劣化します。
・付き合ううち、どんどん費用がかさみます。
最初からこういう事を覚えておいて、割切って付き合えば文句いえませんよね?(笑)
プチプラな航空会社に期待するほうが間違っている。と自分に言い聞かせましょう。
これでも下手なLCCよかまだマシかも... って。
ちょい弁護するけど、元ボーイングの一部門だっただけあって、航空大手としては相対的には機材が新しい。
で、新しい機材やシートがどんどん投入されては劣化、就航先もどんどん増えては撤退。昔から『畳とセフレは新しいのに限る』と言われていますが、ユナイテッドは新しいハード&ソフトが紹介されてはすぐ劣化する繰り返しです。
SQ、NH、TGといったアジア系や、中東のキャリアはこの際見ないようにしましょう。
普通、ユニクロとシャネルで売っているスーツを単純比較はしませんよね?
普通、サイゼリアで飲み放題のワインとDRCをそのまま比較しませんよね?
普通、ダイソーで買った腕時計を、パテックフィリップと比べませんよね?
新大陸の米系キャリアは立ち位置が違うんだと思って、一歩引いて周りを見てみましょう。
・機内に牛を解き放ったようなCAが徘徊するデルタ航空。そのFFPは SkyPesos。
・便所が詰まったからプラ袋や空き瓶に放尿しろと迫るアメリカン航空。 ←聞くだに胸の悪くなる話
・同じくAAは現在のロゴマーク商標登録が却下されまくり、政府を告訴。←新鮮な話題w
ユナイテッド航空でも、オーバーブックしたPAXをタコ殴りにしてアザラシの赤ちゃんのように引きずり降ろしたら炎上しちゃったけど、結局のところ米国の大手3社はどれも似たりよったり。そしたら機材が新しいぶん、いいかも?
欧州にも目を向けてみれば、結構「なんだかなぁ」なキャリアがあります...
・クスリを飲みたいからと水を一杯所望すると課金されるライアン航空。
・これがホントに飛ぶのか!? というほどのポンコツで大西洋を渡るKLM。←最近やや改善中
・ストライキが大好きな従業員のせいでスケジュール滅茶苦茶なAFやLH。
特にエアフラが凄い。客が寝静まったらCAが泥棒に変身するし、給料5%も上げろってストで会社が潰れそうだし。
ほら、どうですか?ユナイテッド航空に対して僅かながらポジティブになってきた自分を見つけたでしょう?w
【教訓2】自分がお客様だと思うな。友人だと思え。
なんたって Fly the friendly Skies® です。クルーも誰もかも、貴方のことをお客様だとはさらさら思っていません。
(もし貴方が毎年500万ドルも使ってくれる Chairman's Circle のメンバーだったら、話は別です)
コンチと合併後耳にしなくなりましたが、合併以前に出発時のPAで流れてきたのは乗客目線ではアウトな内容...
We are primarily here for your safety...
つまりCAさん達は保安要員であって、本来は旅客サービスのためにいるのではない。と言い放っていたのです。
熊みたいなCAでさえ頭上の物入れに機内持ち込み荷物を納めるのは「腰を痛める」といって、手伝ってくれません。
さらにアメリカ人には『お客様は神様です』という意識はありません。
とどめに、この日本語を読める貴方は十中八九、有色人種でしょう...。
最初から『お・も・て・な・し』なんて言葉は諦めて、親切な友人に乗せてもらっている。と思いましょう。
空港に到着して、チェックインカウンターから機内まで、友人や知人がどっさりいて、自分に親切にしてくれている。 ・・・そういう視点で利用するなら、ユナイテッド航空での空の旅は「我慢する」から「思ったよりイイ」に変化します。
ピチピチギャル(死語?)なCAがいない!と思った時点で、貴方はユナイテッド航空に向いていません。合衆国では基本、定年がありません。かつては80歳を過ぎたおねえさんCAが以前存在したファーストの客をお迎えしていました。
(ところで日系でもそうだけど、なんでファーストクラスのスッチーって年季の入った姐さんばかりかなぁ!?)
【教訓3】機内食と名店を比較するな。学校給食だと思え。
機内にはギャレーがあってもキッチンはありません。UAはエスプレッソマシンさえ載せていません。そして基本的にキャビンアテンダントさん達は料理人の修行なんて積んでいませんし、NRTSW以外は和食の基本についても無知だと思った方がいいでしょう。ファーストクラスに炊飯器があって、お食事の時間が近づくと機内には御飯が炊ける香りが漂うANA(これはこれでコメ食い人種以外には問題があると思うが)に太刀打ちできるわけがありません。
そしたら、ほら。この「なんちゃって和食風に仕立て上げたミール」にも、優しく接してあげられます。
最初から「どうせ残念な内容だから...」と諦観しつつ箸を運べば「おや? 思ったよりいけるじゃん!?」と感じられます。これは、すべからく諦観しつつも常に希望だけは絶やさない、佛教的な心の持ちようを鍛えるのには最適です。
ユナイテッド航空を利用することは解脱・悟りを得るための修行だと思えば楽なものですし、某真理教より安全です。 しかも、たくさん修行すれば結果的にアップグレードされたり機内で少しだけチヤホヤしてもらえるんです!
ユナイテッドに乗れば、誉めてくれるんだ!←シンジくん風味 ←精神汚染
マイル修行と同時に精神の修行までできるなんて。とても便利な航空会社ですよね♪ w
機内食が酷いなりにも、調理せずに単純に調達したものは結構いけていることもあります。(必ず、ではない)
Polaris® Business で出てくるアイスクリームサンデーは好みにあわせてカスタマイズしてくれますし、出発した地域によってはチーズプレートもそれほど酷いものではありません。
最近は United Economy® でも長距離の国際線なら食後に駄菓子よりはやや上等なアイスクリームまで配ってくれます。
さらに追加でいくばくか払えば、アルコールやスナック類を購入することだってできます。
貴方の周囲の皆さんも、同じ釜の飯をイヤイヤ食わされているのです。
そう、これは懐かしい、あのスカスカなコッペパンやありえない味付けの鯨の大和煮を食わされた学校給食だと思えばいいですし、一過性のものだからと未来への希望を捨てなければ、幸せでいつづけられるでしょう。
【教訓4】ラウンジは劣化する。絶対良いラウンジは絶対に劣化する。
上の教訓は Power tends to corrupt, absolute power absolutely. -John Dalberg-Acton『権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対に腐敗する』をもじってみました♪ ユナイテッドのポラリス戦略、最近はアメリカ国内の空港ではポラリスラウンジが増えてきました。いずれ香港や成田でもポラリスラウンジが完成してくるはずです。
でも、SFOのポラリスラウンジはオープンして数週間で劣化が始まりました...。オープン後半年も経たないうちに、既にダイニングのナプキンは布製から便所のお手拭きとおそろいになるまで、劇的な劣化が進んでいます。
それでも今のところ、まだフランス産のシャンパーニュを飲ませてもらえますし、機内食よりはいくぶんマシなお食事を出してもらえるダイニングもあります。United ClubSM のほうは「搭乗ゲートで待つよりはいい」と思えば途端に居心地が良くなるかもしれません。ここよりもっと悲惨な境遇を思い起こせば、少し幸せになれます。
以上、基本は「気のもちよう、視点の変えよう」でユナイテッド航空での空の旅は少しだけ快適になります。
これからも新しい機材やサービスが紹介され、投入されてはたちまちのうちに劣化するのを繰り返すでしょう。
それでも世界中に「ユナイテッド航空が好き。MileagePlus がいちばんイイ」という
貴方がもしもまだ MileagePlus に深入りしていないのなら、足を洗うことも考えた方がいいのかもしれません。でももしミリオンマイラーに到達してしまったなら、そのままユナイテッド航空と心中する覚悟を決めるか決めないか、全ては貴方自身の決断です。Let's fly the friendly skies.