※ アテネ旅行記 ― 第一回、第八話 ※
ランチタイムに、またもやトラムとメトロを乗り継いでやってきたのは、アクロポリ駅。
しかし… この看板は幾日経っても慣れない。
ギリシア文字はローマ字に似通っているので、ついつい読み間違えます。
形がpみたいなのが発音はrだったり、nみたいなのがiなのが面倒。
さらにsとかは語尾に来ると形状が変化して、まるでアラビア文字。
いっそアラビア文字とか朝鮮語みたいに全然違う形のほうが読み易い。
さてさて… 2日目・土曜日のランチはアルカイダの隣にあるはずの、ライオン堂へ。
こっちですね。
実は昨日、最初にライオン堂へ行こうとして間口が狭くて判らずにアルカイダに入店してしまいました。(苦笑)
店頭に Best Moussaka in Athens というカードが立ててありました。
でも店名が見当たらなくて、まだ少し迷い気味でした。
「すいません。ここ… Liondi ですよね?」
「はいはい。いらっしゃい! いちばん前の席が景色がいいよね!!」
なんだか店長みたいな年長の人に安請け合いされたので、ここであってるかまだ心配。
でもメニューに Liondi って書いてあるし、薄っぺらな塀の隣は昨日の店アルカイダだし。
着席した状態での景色はこんなでした。博物館と、道行く観光客を眺めながらのお食事。
ここんちのオレンジジュースは明らかにネーブルオレンジと判るまろやかな風味。
今回の滞在中にフレッシュオレンジジュースをさんざん試していました。
だって、1杯たったの80ユーロセント(100円くらい)と、激安なんだもん。
40年前でも都内のバーで飲んだら1,000円は下らないようなジュースが10分の1です。(比較が…)
ここんちのは4ユーロくらいですが、新鮮で高級なオレンジ使ってます。が判る風味が嬉しい。
また比べちゃうけど… ほぼトルコのパトルジャン・サラタス=茄子のサラダそのもの。注文をかける時にはギリシア語でメリジャーノ・サラタ、って発音したら感心されましたが、トルコ料理の親戚だと思ってますから。
「メリジャーノ(茄子)と一緒に、パンが欲しいだろ?」
「ガーリックトーストって、ありますか?」
「無い。でもギリシアのパンを焼いて芳ばしいオリーブ油をかけてあげる」
「じゃあ、それをお願いします」
もっちり感があるけど表面がサクサクで、茄子のサラダを載せるとおいしい。
特筆ものは、やはり原産だけあって新鮮なオリーブ油でしょう。香りがいい。
「どうだい。美味いか?」と、店長らしきおじさんが様子を見に来ました。
「茄子のサラダがおいしい。来て良かった!」
「そうかそうか。旦那は中国から来たのか?」
プチムカ… でもにこやかに、
「いえ。カリフォルニアからですが、生まれは東京です」←ほぼあってるw
「おっ!東京はいまオリンピックゲームズをやってるだろう!?」
さすがにギリシア人には五輪開催が喧々愕愕だとは、言えねぇ言えねぇ。
「ぇぇ… オリンピックの開催が1年遅れたけど」
「??『オリンピック』じゃなくて『オリンピックゲームズ』だろ!」
そうなんだぁ。ギリシア人的にはオリンピックだけじゃ、場所の名前なのかも。
それにちゃんと Games って複数形なのが偉い。(笑)
某社ゲームライセンス会議で、五輪委員会に「オリンピックはいくつもの競技があってこそだから、オムニバスに、最低8競技作らなくちゃ許可しない」って言われ、携帯ゲームでそんなの無理!ってキレた記憶が蘇ります。
その後、お店がどんどん混んできて忙しくなったようで、店長さんとの会話は途絶えました。
僕だけしかいなかったのが… 僕が店頭に座らされて美味そうに食しているせいなのか、満席になってきました。未だに『客寄せパンダ』の異能力は健在でしょうか? でも自分の店でこの異能力が働いたためしがない。(爆)
パンと茄子サラダが同時に消費されるようにお食事を進めながら食べ終えたら、すぐ次が。
ここんちのムサカは隣のと違って一般的な、まな板みたいにおおきなものを焼いて切り出すスタイル。
ジャガイモ、挽肉、茄子、ベシャメルソースが重なっているのがよく判るよね。
食べてみると、なんだか「みっしり」と詰まったような、密度の高い風味。
でも・・・にくがすくない。
と、昨日のムサカと比べてはみたものの、こっちもスタイルが違いこそすれ美味しい。なんだかラーメンの醤油味と味噌味を比べているみたいで、単にムサカといっても別物で、比較できません。
これじゃ好き嫌いが別れて、ライオン堂派とアルカイダ派ができると思う。
僕は… ミートソースたっぷりのアルカイダが好きかなぁ。でもこのライオン堂の高密度ムサカも野菜の風味が濃厚で捨てがたいです。そこで、次回もきっとまた両方に順番に通うのを基本姿勢としました。
ボリューミーな茄子サラダと密度の高いムサカでおなかいっぱいなので、お会計を…
お会計を頼んだら「オリンピックゲームズの御祝いだ!」って、西瓜を出してくれました。
粉砂糖がふりかけてある… テーブルの塩もふりかけようかと思ったけど、そのままで。
これ… そんな激甘い西瓜じゃないけど、いくらなんでも砂糖はいらないよ。でも気遣いはとても嬉しい。
水菓子は膨れたおなかの邪魔にはならず、綺麗にいただいてから帰りました。
人なつこいサービスと量も質もたっぷりのお料理で、ここんちもお勧めできます。
ただ一点。カードでお会計を済ませたら、チップを残すためのバインダを置いていった。
アジア系だからチップの習慣がないと考えたんでしょうか。ちょっとあざといと思った。
(欧州では 5~10% のお心付けを残すようです。アメリカは15%以上なのでお安め)
席をたった帰りがけ… おとなりの前を通過したら、アルカイダの店長さんに手を振られました。(汗)
うわ~、気まずい。仕方がないから明日はアルカイダでランチだな… と、もう心に決めました。
LIONDI Traditional Greek Restaurant
Makrigianni 19-21, Athina 117 42, Greece
Tel. +30 210 921 9994
Hours: everyday: 12 - 10 PM
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