Saturday, August 28, 2021

Première

  ※ アテネ旅行記 ― 第弐回、第五話 ※


アテネへ到着した日の夕方。

やはりプレミアム・プラス席ではゆったり眠れなかったせいなのか疲れが貯まってっぽい。
そこで外出せずに、地上階のバーで軽く食べて寝よう。と、To Bar というコーナーへ向かいました。

ところが… 誰もいない。

やがてバーテンダーと思しきお姉さんが通りかかって「18時でおしまいよ♪」だって。
午後6時で営業を終えるバーって、なんなんだよ!?

憎むべきは新型コロナ!!

まだこんなに明るいのに… スナック軽くつまんだら部屋に戻って寝るつもりだったのに。
どうしよう。ルームサービスって料理が冷めてるっぽくてホントは好きくないんだよね…。

…とか思っていたら「18時から最上階のプレミエールが営業するわよ」って、お姉さんが教えてくれました。

COVIDじゃない時は19時半からの営業だったのが、バーの閉店にリンクさせて営業開始する模様です。

・・・で、涼しい屋内からアクロフォビアの廃墟を見ることができたわけだ。
手前に見えるのはピレウス銀行のてっぺんに張られた太陽電池パネル。
その先に大理石の廃墟が見えて、なんともシュールな景観はアテネならでは?

9階まで行くエレベータは一基だけで、うっかりクラブフロアの8階で降りたら…
レストラン・プレミエール Première の入口階段がありました。

階段をグルグル登ると、盾がいっぱい納められたガラスケーズが。
ミシュラン他のグルメコンテストで選出された記念の盾がいっぱい… アテネの名店ですね。

そして、もう一歩入ったら、変な赤い奴が。
レストラン入口がバーコーナーになっているみたいですが、そこに設置されています。

この、なんとも評価しがたいシュールな彫刻は…
確認してきませんでしたが、入口に設置された変な青い奴と同じ作家の作風と思われます。

こっちが入口の変な青い奴です。
どうせならもっとアブストラクトな作品のほうが、客としては安心できると思うが。

で、現地からの投稿に書いたように、バーでスナックかっ込んで寝るつもりだった。
そのため、短パンにTシャツのまま着替えずにやって来たので、凄く気が引けます。

笑顔で出迎えてくれたメートルさんに「ドレスコード違反しまくってますが…」と問うたら…
「夏ですから。皆さんカジュアルで全然かまいません」と、快く席へ通してくれました。

確かに、後で隣席に来たアメリカ人の家族連れも、短パンにTシャツでした。
アメリカ野郎は短パンにTシャツだと、レストラン側も気づいているんでしょう。
(ちなみに僕は寝間着用のMITロゴのTシャツだから、アメリカがバレバレ)

アクロフォビアの見える窓際の涼しい席が、このへん。
でも… 後から来た客の3分の2は屋外のテラス席に。

まだ日没前で、テラスは35℃くらいあるはず。ギリシア人、耐熱性がハンパない!!

バーで食事するつもりのままなので、iPadなんかもかかえてました。
ホテルの内部なので、Wi-Fi がそのまま繋がってるから、計測した。
下り 43Mbps くらいで、PING反射は 5ms と、なかなか優秀な数値。

食後少しして導眠剤を使うつもりなので酔うと困るから、飲み物は炭酸水とオレンジジュースを。
そして、ゴボゴボと炭酸水が注がれるグラスの向こうにはアクロフォビア神殿が。

お料理が届く前に、ウエイターさんが木箱を持ってきてくれました。
バターが添えられていたので蓋を開ける前にパンだと判ったけど… なんだか仰々しいかも。

中味は、こんな。
白いの、黒いの、ブツブツの3種類のパン。(なんとなくレイシスト?)

パンに手をつける元気もなく、いきなりのメインを待つこと数分。焼き上がり♪
Greek Moussaka, ground beef & Béchamel sauce 19,50€

ムサカです。第壱回アテネ遠征でも試した2軒のムサカと食べ比べます。
(しかし…『遠征』とか呼ぶと、南極にでも出かけてきたみたいで笑える)

フォークを入れてすぐ判るのが、ベシャメルソースがテロテロにゆるい。
でもグラタンとかを考えたら、こっちのが普通かも。

とてもクリーミィで濃厚なベシャメルソースに包まれて、茄子と馬鈴薯が一層づつ。間に挽肉。
変に層を重ねない代わりに、極上の材料を使った挽肉とソースでまとめてあります。
風味としては、今まで62年間生きた間に食べたムサカでいちばん高級な味がしました。

でも、必ずしも材料鵜が高ければいちばん美味しいわけでもないかも。
ライオン堂のムサカは野菜の素材がしっかり美味しくてみっしりした味。
アルカイダのムサカはミートソースがおいしくて、風味がおだやか。

美味しいラーメン屋さんがいっぱいあるように、美味しいムサカがいっぱいあってもいいと思った。

あとはエスプレッソとデザートをもらいます。
シングルショットのエスプレッソに、甘味料が3種類。(笑)

そして… 夕暮れ迫るアクロフォビアを眺めていると、デザートが届きました。
ちょっぴりファンシーで、ミシュラン評価が付く店だけのことはあります。

Light Yoghurt Mousse with Red Fruits and a crispy Biscuit with raisins and Quaker 10,50€
軽やかなヨーグルトのムースに赤いベリー、クエーカーと干し葡萄入りのビスキュイ

和訳がいいかげんですが… 赤スグリのボンボンの中はこうなってて、確かにヨーグルト風味のムースです。
てっぺんはアイスのようでも、実際はラズベリー風味の濃厚クリーム。酸味のあるレッドチョコレートの板と、確かに「クエーカー」シリアルやレーズン味のするビスケットがベースに敷いてありました。

チョコレート系のデザートよりも軽快で、疲れた体には丁度いい。

ウエイターくんやメートルさんへドレスコード違反のお詫びを申し上げつつ、退散しました。
次回はポロシャツでもいいから、ちゃんと襟のついた上着で訪れたいと思います。
(実践女学院卒の祖母に「襟の無い服で食堂へ行っちゃダメ」と厳しく教え込まれました)

自分が寝泊まりしている建物の最上階に美味しい店があるから、活用したいです。

Première
9F, InterContinental Athenaeum Athens / Siggrou 89-93, Athina 117 45, Greece
Tel. +30 21 0920 698
Hours:
  *Currently 6 - 11 PM due to COVID
  Mon - Sat: 7:30 PM - 12 AM
  Sun: 12 - 5 PM, 7:30 PM - 12 AM

2 comments:

  1. 美味しそう。それにしても何故ギリシャは(効率悪い)側面にソーラーパネル貼るのかな?屋上は狭くて高さのコードに違反するのかしら?

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    Replies
    1. m e m o さん、

      たとえ南欧でも緯度は40度近くあるので、ソーラーパネルを縦に貼っても決して効率は悪くないと思います。風に強くなるので、設置費用も経年劣化も抑えられて、賢い設置方法だと思います。

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