ホテルの部屋に戻ってきたら、時差ボケが出てきて軽く昼寝モード。
でも本気で寝たらまずいので、体を休める程度でのんびり過ごして。
ホテルの部屋から見たアクロポリス。滞在初日の午後はちょっと雲がでてきました。
その後、アテネの先生が仕事を終えてやってきて、今後の行動計画をざっくり提案。
「土曜の午後は仕事があるけど、天気が良さそうだから午前中に郊外へ行こう」
「土曜日も仕事? そんなに付き合ってくれなくても大丈夫だけど?」
「せっかく好天になりそうだから出かけよう。今夜はお気に入りの店へ行こう」
ヴァレンティナ Βαλεντίνα という名前のレストランです。
ギリシャの看板って、みんなホントよくスラッと読めると思う。
店名がギリシャ文字なのに、RESTAURANT は英語表記。なんでよ?
なんとなく読めそうで読めないので、どこでも毎回イラった。
ここ、ソ連へ移民したギリシャ人の家族がアテネに戻って来て開いたお店だそうです。
入店したら速攻で EU グリーンパス(ワクチン接種証明)の展示を求められました。「2週間前に4回目を打って、一昨日はPCR検査陰性」って伝えたら、応対の姉さんは安心。外国人観光客からコロナを持ち込まれるのをいちばん警戒しているのがミエミエな態度でした。w
店内は簡素なしつらえ。午後9時頃ですが、まだ早めのディナータイムなので空いている。
そう。ギリシャ人って夕飯タイムが凄く遅い。午後9時前に来るのは観光客ばっかりらしい。
壁にマトリーショカ(まるで下手なプログラマが書いたコードのようにネスティングされている人形)があります。
QRコードのメニューを読み取ったけど… ギリシャ語だけで判らん。
注文はアテネの先生におまかせします。
アテネの先生はなぜかいつも「カイザー」という銘柄で、僕はノンアルコールがあったらそれを。
「あ、ホップの絵が描いてあって、爽やかに苦そう♪」
「…ホップって何?」
まぢか!?
Wikipediaをたぐったけれど、ギリシャ語版が無いから英語版を見せました。
「ビール飲みなのにホップを知らないの?? ビールの香りを付ける…スパイスみたいな」
「知らなかった。それも百姓学部の知識?」
「いや… 日本人の成人なら、誰でも知ってると思う」
今回はアテネの先生と5日くらい一緒に過ごしましたが、何度も出た受け答えは…
「一緒にいると、日本人って感性とか知識とかがあちこち違ってて面白い」
「僕の場合かなりアメリカ合衆国に汚染されてるから、そのへん考慮して」
こちらとしてもギリシャ人の実態がいろいろ判って面白いです。
EU圏の人々だけど、西ヨーロッパ言語を話す人々とは違ってる。
見るからに素朴な、水と塩、小麦粉に酵母入れて焼いただけっぽい自家製のパン。
ところが、これが絶妙に美味しかった。焼きたてで、フッカフカ食感なパンなので、幸せ♪
この國の人はオリーブ油で食べるけど… 濃厚な発酵バターが一緒だと止まらなくなりそう。
メニュー上では、Καροτοσαλάτα με μαγιονέζα και σκόρδο Carrot salad with mayonnaise and garlic と、マヨネーズとガーリックの人参サラダと書いてあるんですが、日本人的にはポテトサラダにしか見えません。白い根菜は「白い人参? 蕪?」が主体ですが… 茹で加減が固めなポテトのサラダとしか思えません。←馬鹿舌丸出し
自分の皿に取り分けると、こうです。
マヨネーズが自家製なのか、ガーリック風味のおかげか、とても独特で濃厚です。
まったり系風味なポテトサラダとしては、ビールとの相性が抜群です。
挽肉のピロシキです。他にはジャガイモのピロシキがあると言われ、どっちがいいか聞かれました。
馬鈴薯入りのピロシキって… それじゃ芋コロッケじゃね?
やっぱ、ピロシキは挽肉がビッシリ詰まってなくちゃねぇ。
だんめんず。
プーチンのように世間の予想を裏切らない(←禁句?)、予想通りで、油切れも良いピロシキ。
アツアツなので玉葱と肉の風味が引き立っていて、美味しかった。
メニューでは、Μάντι (ζυμαρικά του ατμού με γέμιση κιμά) Mandi (steamed pasta with minced meat filling)らしい。
とにかく読めないから、間違ってたらゴメン毒者。(苦笑)
中には挽肉がたっぷり。確かに皮がパスタっぽいし、トマトソースを付けるから基本パスタ系の風味なんですが、見た目と食感的には「大きな小籠包」です。これも挽肉の風味が良くて美味しかった。
アテネの先生、挽肉を minced meat と呼びます。
「その minced meat って、イギリス英語。米語だと ground meat だよ。Minced だと、細切れっぽく聞こえる」
「そうかぁ。ギリシャへの観光客はアメリカ人のほうが多いから、覚えておくよ」
確かに、英国のほうがギリシャに近いのに、街で聞こえてくるのは米語ばっかり。
観光地としてのギリシャが大好きなのはアメリカ人ばかりみたいです。
そして、メインが届きました。ポテサラと小籠包の量が多いのを見越して、一皿をシェア。
ラムのケバブ Κεμπάπ αρνίσιο (μερίδα με πατάτες) Lamb kebab (portion with potatoes)、ポテト添え、のはずです。
串というか… 細い短剣みたいなのを抜いたらこうなってます…。
味が付けてないように見えたけど、ラム肉は軽くマリネしてあって、ものすごく柔らかくて、アテネの先生と二人で感動。マリネした風味が出しゃばらず、肉の臭みを抑える程度になっているようです。
この後もそうだったけど、もう今回の滞在は毎晩串焼きばっかり。しかも味付けが軽くてソースが付かない。やっぱりギリシャ人の好みって、素材の風味を楽しんでソースには拘らない、というものが多いような気がします。
ザクロ風味のアイスがあるっていうから、それをもらいました。
…人工ザクロな風味。
アテネの先生がクスクス笑っています。
「何? 見てのとおり、人工的な色と味だよ」
「そうじゃなくて、バルセロナでレストランを出たら、君がいきなりコンビニアイス買ったのを思いだした」
「その話をまた蒸し返すか? だってセロリの匂いで氏にそうだったから」
「でもあの行動はありえない。ショッキングすぎたんだよ」
やはり価値観が違うというか、高級店で食事したら直後にコンビニへ寄っちゃいけないみたいです。
シナモンやクローブで造ったパウンドケーキ風ですが、中に長楕円形に見えるサクサクのクッキーが入っています。これも美味しいけど、とても食べきれないので紙ナプキンに包んで持ち帰りました。
Valentina Restaurant / Βαλεντίνα
Address: Λυκούργου 235, Καλλιθέα 176 75
Tel. +302109431871
Hours:
Tue - Sat: 1 pm - 12 am
Sunday: 12 pm - 11 pm
Monday: Closed
No comments:
Post a Comment