Tuesday, March 8, 2022

Baklavas (Karaköy Güllüoğlu)

朝食後、 ひとりでやってきたのは… シンタグマ広場。
広場から噴水と国会議事堂(だったっけ?)を観ると、こんな。この朝は曇り空でした。

街路樹もそうだけど、シンタグマ広場にも、たわわに実ったオレンジが。
百姓が管理していないので摘果しないから小ぶりですが、見た目は熟していて美味しそう。

やや引いて写すと、こんな様子です。
ベンチでイチャイチャする、けしからん番いの若人は世界中どこにでもいます。
でもパリの番の若人のように、人前で口を吸い合ったりしないのでまだ我慢できます。

アテネの先生によれば、芝生に落ちまくっているこのオレンジは、みんなビターオレンジで食べられないそうです。

「なんで街中に食べられないオレンジ植えるかな!?」
「だって、すごく丈夫だから」
「そんなの、根元だけビターオレンジで、上に喰える奴を継いだらいいじゃん!」

アテネの先生は『接ぎ木 Grafting』という単語を学びました。(笑)
文系の弁護士さんでも、さすがに接ぎ木の概念はご存じでした。

「そうだった。君は百姓の知識もあるんだった」
「百姓学部の1年生はポンカンが課題作物だった」

…と言おうとして、この場合の『ポンカン』の適切な英訳が判らず『マンダリンオレンジ』と言い換えたのは、たぶん許してもらえる誤差範囲内だと思います。グーグル先生の訳は Ponkan なので、役立たずですから。

  §

さて、シンタグマまでやってきたのは、この店を試してみたかったから。
バクラヴァ屋さんです。お店の看板は単に『バクラヴァ』って書いてあるだけです。

しかし、その正体は上写真の矢印で示した箱でバレバレに…
十数年も見慣れた、あのガラタ塔のロゴマークは、まさしくカラキョイ・ギュルオルーです!

グーグルで調べると、2017年くらいまでこっちの看板だったのが判りました。
どうやら正しいロゴなのでパチっているわけではなさそう。

でも、上の方にギリシャ語でも Μπακλαβάς バクラヴァって書いてあるのが若干の不安要素。

さらに、グーグルマップでは… Karaköy Güllüoğlu かっこ・バクラヴァ屋、って出てきます。(笑)
場所はシンタグマ広場から1ブロック。駅前と言って差し支えない場所にあります。少し北側にある ΜΑΤΣΟΥΚΑ 松岡 という名前の店が、いつも土産を買うナッツと日干しフルーツ専門店なので、いっぺんに訪ねられて便利至極。

入店すると、店長と思しきおばさまと若いお姉さんの二人がいました。
お二人に声をかけてみました。

「カリメラ♪ ...ギュナイデン♪」←ギリシャ語とトルコ語で「おはよう♪」と言った、

僕のつたないトルコ語に、おばさまが敏感に反応しました。

「ギュナイデン。…あなたトルコ語が話せるの? そしたら日本人?」

そら来た。(笑)

ギリシャにいる東洋人は中国人、でもトルコ寄りだったら日本人、と判別しているみたい。

ほぼあってる。(爆)

「ええ、日本人だけど… トルコ語で話せるのは『おはよう』くらいかな」

でもこれでお店の方と打ち解けました。おばさまに許可をもらって、ショーケースの中を撮影させてもらいます。
ざっと見ていく限り、カラキョイ・ギュルオルーのバクラヴァと同じ形、同じ色、同じ大きさに見えます。

特にこのへん。
上段が多分胡桃のバクラヴァですが、中段のチョコレート味はカラキョイ・ギュルオルー独自の製品のはず。

さらにその隣のショーケースには…
上段のギョーザっぽいのも、中段の緑色のピスタチオロールも、カラキョイ・ギュルオルー独自形状のはず。

お店のおばさまに伺いました。

「ここに並んでいるバクラヴァは、カラキョイ・ギュルオルーのものと同じに見えます」
「数年前まではカラキョイ・ギュルオルーのアテネ分店だったのよ。提携が切れたの…」

そういうことか。だから正面の看板からカラキョイ・ギュルオルーの名前を外したのか。

にしても、単に『バクラヴァ屋』って・・・。w

そこで、カラキョイ本店へ行ったときに撮った、本店・店主のナディールさんとのツーショットを見せました。
二人揃って同じような背格好、頭でっかちで口髭+タレ目+二重顎。アジアの両端で生まれたのに兄弟みたい?(笑)

「あらこれ、ナディールじゃないの。隣にいるのは・・・あなたなの!?」

この写真だけで速攻、本店の店主さんを見分けてしまう様子。これなら本物確定です。

「写したのはもう数年前ですけど、毎年十数回は本店へ通っていたから」

おばさまは感心した表情になって、さらに今まで以上に当たりが柔らかくなりました。

もうこれで、この店でも常連待遇が確定です。(笑)

イスタンブールまで行かなくても、アテネでほぼ同じバクラヴァが食べられそう♪
SFO から距離的にほぼ一緒だけど、こっちはEU加盟国でユーロ圏なのが嬉しい。

で、一通り試してみることにして、メジャーなのをひとつづつとアイスを注文。
お店の前のテーブルでいただいていくことにしました。

外気温は13℃くらい。冬場なのでホットのチャイもお願いして、こんな。
口直し用のお水も添えてくれたのが嬉しい。これで舌をリセットして味を評価しやすくなる。それに、水道水だろうけど、アテネは硬水だからか、水が美味しい。硬水で淹れると紅茶が美味しいのはロンドンで経験済みです。したがってここの紅茶も色が濃くて美味しい。

おばさまに「ヴェ、ドンドルマ、リュトフェン」and, ice cream, please. とお願いしたら、
「もちろんバニラアイスを大きい奴にサンドイッチするのよね?」と聞き返されました。
パイから切り出した形状の、アイスのはさまった大きい奴が、それです。

嬉しい!
カラキョイ・ギュルオルー本店のテーブルで何度も見かけて、激しく嫉妬した一品です。
でも英語だと通じなくて、注文できずにいたアイスクリームサンドをデフォでアレンジ!?

なんだか、カラキョイの本店へ行くよりも、こっちのほうが英語通じて簡単かも。

しかもカラキョイ本店はおじさんばっかりだけど、ここはキレイな女性ばっかり。
口髭おじさんばっかりも好きだけど、彼等は極東出身の口髭おじさんには冷たい。(爆)

さらに、ピスタチオ入りのバクラヴァをカットしてみて、ビックリ。

だんめんず。
中味がピスタチオだらけ。本店よりもピスタチオたっぷりです。
胡桃バージョンも同様で、このアテネのお店の方がナッツ多め。

ギリシャもピスタチオやクルミが名産で、品質はトルコ以上かも?というほどなので、ここんちのバクラヴァは最高♪  フィロ生地もサクサクだったので、毎日焼きたて新鮮なものを造って売っているようです。

カラキョイのホテルもなくなっちゃったし、もうカラキョイ・ギュルオルー本店まで行かなくても、アテネのど真ん中シンタグマ駅から徒歩数分で本店と同等かそれ以上のバクラヴァにありつけるなんて…。ここはアテネを訪れる度に立ち寄る事、確定です。ただし、糖尿だからといって甘い物を激しく禁じているアテネの先生は一緒に連れてこれない。お茶だけ飲んでる先生の目の前で一人でバクバク食えない。…糖尿は僕より全然軽症なのにねぇ。

と、舌鼓を打っていたら、さらに「トルコから輸入したばかりなのよ。よろしければ…」って。
「これ、ロクムですよね!?」
「Turkish Delight じゃなくてトルコ語で覚えているのは凄いわ。3種類ありますから」

はじめてだったのに、いい店や。

ナディールさんと撮った写真を持ち歩いてて大正解。
この写真、きっとトルコ航空に乗った時も使うけど。(笑)

トルコの甘いもの、アテネでも無問題でいただけます。しかも、全般的にはトルコが好きくないギリシア人が多い中で、ここではトルコ語ができると褒めてもらえます。

激甘いものをたっぷり食したので、これをもってランチとしました。
立地がとてもいいうえに、大変に居心地のいいお店を見つけました。

Baklavas / Μπακλαβάς  (旧 Karaköy Güllüoglu)
Address: Ερμού & Νίκης 10, Σύνταγμα
Tel. +30 210 3213 959
mpaklavas.gr

Hours:
Mon - Sat:  8 am - 10:30 pm
Sunday: 9:30 am - 10:pm

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