※ アテネ旅行記 外伝、第壱話 ※
3回目のアテネ遠征に行ってきましたが、冗長な繰り返しになるので、新規味のある部分だけ綴ります。
3回目のアテネ遠征に行ってきましたが、冗長な繰り返しになるので、新規味のある部分だけ綴ります。
往路はワシントンD.C.で乗り換えて、UA982便でアテネへと接続しました。
なお、SFO→IADは見事にアップグレード落選。WLは「3番目の老人」でした。
乗り継ぎが1時間未満でも、ターミナル半分歩かされても、ワシントン・ダレス空港なら大丈夫。
ギリシア入国書類のチェックなんて、もうやっていませんでした。無事に搭乗して、自席へ…
もうサイテー!!
国務省からは渡航禁止勧告が出ているのに、なんでみんなギリシアへ旅行するのか不思議なくらいに満席。
20A をもらって、そこに落ち着きました。
接続に遅れたPAXを待っていて、出発時刻は30分くらい遅れました。でも隣席の 20C には誰も来ない。
飛行機の蓋を閉める前に、若い CA 姉さんが2~3回やってきて、隣席に客が来たか何度も確認します。
最後には「あなた… 本当に座席 20A ですか??」って聞かれました…。
ちょっとプチムカになりつつも、上に載せたデジタル搭乗券を見せました。
「ほら、アップグレード失敗して見事に 20A のままですが」
「そうですね… 失礼しました。もし隣席に誰か来たらコールかけてくださいね」
そのうち雲を抜けて、窓外は夏の入道雲を上から目線で眺められるくらいの高度に到達。
僕の座ってる席までカラッポって、なんでよ!?
いつの間にか、座席が 5L になっています!
僕だけアップグレード成功。
僕が移動後のプレミアム・プラス側は確認しなかったけど、繰り上げ当選は無い模様。
う~ん… なんだか 補欠合格 とか、裏口入学 という単語が脳内を踊りました。
さっそくアテンダントコールをかけたら、折良くカーテンの向こうにいた CAのおばさんが…
「どうなさいましたか?」
「見て! 離陸後にアップグレードされました」
「じゃあ荷物は後でいいからすぐ 5L へ移動してください! もうお食事が始まっています!」
たいした荷物じゃないから、頭上の棚入れを開け、荷物もかかえて 5L へ移動してきました。
20A/Cと並んで空席になったところには、センターアイランドのPAXが喜々として引っ越してきていました。
「もうビーフしかありませんから、あしからず」と、そっけなく言われました。
「言われたとおりに荷物を置いてすぐ来ていたら、メインを選べた?」
荷物をかかえるためのタイムロスは2分以内だったはずだけど、いちおう聞きました。
「そんなことはありません(笑)。残念ですが今日はもうビーフしか残っていないんです」
「参考までに、他にはどんなものが用意されていたの?」
念のために選択肢を伺ったら、他はパサパサのチキンまたはデロデロのパスタでした。←酸っぱい葡萄モード
味付けはどうやらポートワインソース風? マッシュポテトはたっぷりで、少し嬉しい。
食してみたら… それなりにやわらかな仕上げで、UAビジネスクラスの機内食では平均点。
しかも、温めてありました!
普段なら驚く事でもありませんが、COVID下のオペレーションで初めてありついた、温かいパン。
塩キャラメル風味のジェラートです。
最近の EWR・IAD 発の大西洋横断便は塩キャラメル風味かマンゴーソルベです。
室内灯が点って目が覚めて、シェードを上げたらこんな景色。夜明けを過ぎたばっかり?
「クリームソースを添えたフレンチトーストか、卵料理ですが… どちらになさいますか?」
「それって… プレミアム・プラスで出るのと同じでしょ?温めたバニラアイスを添えたフレンチトーストか、または卵白とケールを炒めたのにソーセージ添え?」
「 さすがは2ミリオン。卵料理はまさにそれです(爆)! 一食目が選べなかったのでお好きなほうをどうぞ♪」
ここは数秒考えました。あのフレンチトーストか、卵白にケールか… 究極の選択。
脳内では『来年の漢字』をお習字する、清水寺の高い舞台が再現されていました。
あの熱々のバニラアイスを添えられた、貧相なフレンチトーストを食べたい気分じゃない。
卵白とケールは好きくない組み合わせだけど、塩っぱいものを食べたかった。
「卵料理をお願いします。飲み物はコーヒーにクリームを入れてください」
「聞く前に答えてくださって助かります。すぐにご用意いたしますね♪」
言葉通り、メイン以外のアイテムがトレーに載ってすぐ到着しました。
しかし… ここからが少し長かった。
前のギャレーから遠巻きに Oh Gosh!! とか、Damn Shit!! とか、そんな台詞を客に聞かれてもいいのか?と心配になるような大声で、思い切り毒づくアテンダントさん達の声が聞こえてきました。
やがてCAさんが厳しい表情で前のギャレーからやってきました。
「卵料理の加熱に問題が起きて、あと数分はお待ちいただく事になりますが…」
「熱いのは苦手だから、生温かい程度の加熱でも全然嬉しいんですが?」
CAさんの表情が苦々しく曇りました。
「中途半端な加熱のお食事をお客様に出したら、もの凄い規則違反になります」
だろうね…。
航空会社なら、食中毒だけはゼッタイに出しちゃならんだろうからね。
「到着10分前のチャイムが2回鳴る前に食べ終える自信あります。待ちます!」
「(笑) 助かります。貴方みたいなお客さんばっかりなら、凄く楽なんですけどねぇ」
まるで溶かしたガラスを触る用みたいな手袋を装着して、湯気が見える皿を持ってきてくれました。
これが今までプレミアム・プラスでは敬遠していた卵料理です。
その後、入国審査は待たされず、メトロの駅でもたいして待たずに乗車できました。
エアショー上の白い飛行機マークの移動で、待たされた様子が判るでしょうか?(笑)
卵白とケール、ソーセージ添えのメインが届くまで珈琲だけで我慢してました。(珈琲は2杯目)
率直な感想: 完全に予想外。ユナイテッド航空の卵料理としては、平均点以上。(平均が低いからね)
なにしろちゃんと熱々なのが嬉しいですし、塩味がいい塩梅。ソーセージもなかなか美味。
それにケールが入っているからヘルシーかもね♪ ←あれほど「健康バカの食品」と忌み嫌っていたケールに肯定的w
結局、メインを配布されて数分で完食したので、最後に配ったのにトレーを下げるのが早くて笑われました。
それでもお食事を終えたら割とすぐに降機態勢。
運ちゃんは30分の遅れを見事に取り戻して、午前10時に着陸。
ちいさなアテネ空港はタクシングが早く、定刻で降機できました。
朝10時すぎのメトロは、欧州内線の到着がピーク前なのでガラガラ。
ところが、この日は「アクロポリス・ラリーがあるからシンタグマ駅は通過します」と言われました。
あの世界遺産の大理石だらけの遺跡の周りでラリー??
市内で公道 F1 の間違いではないのか?と、マヂで思いました。
…てか、ラリーカーがあの高い崖から落ちないのか??
でも、ホントにWRCの正式なラリーをやっちまうようです。
Wikipedia から3フレーズだけ盗んできました。
イベントはパルテノン神殿の近くからスタートする。路面に大粒の尖った石が散乱しているため足回りやタイヤにダメージを負いやすく…日本では悪路ポリスという俗称もあった
何それ!? 悪路ポリス??
ともかく、ラリーのおかげでシンタグマ駅でトラムに乗り換えられません。
2回も乗り換えて Syggrou-Fix 駅でトラムに乗り換えられると言われました。
しかもこの情報まで真っ赤なウソ!!
トラムは途中で折り返し運転のため Syggrou-Fix までやってきません。
シンタグマが近づくにつれ、メトロの車内では周囲に乗っている乗客数名が一斉に…
「シンタグマ駅は停まらない。周辺の2~3駅は全部やばい」
…と、下手糞ながらも英語で一生懸命説明してくれます。
最初、新手の詐欺か? と思うほどみんなが必死に説明してくれるので怖くなりました。
シンタグマの手前の駅名をうろ覚えなので、覚えてるそのまんまで発音しました。
「ヱヴァンゲリヲンで降りてタクシーを捕まえます」
「うんうん。それがいいだろう!!」
駅名を『ヱヴァンゲリヲン』と発音しても、全く問題なく通じました。www
シンタグマのひとつ手前で、御礼を言いながら降りました。ここですね。エヴァンゲリスモス駅です。ヱヴァンゲリヲンと発音しても大丈夫なほど同じ♪
ただし、駅から出てもピラミッドみたいな建造物や地底湖はありません。
メトロの出口はバス停ですが、タクシーを呼び止めたらちゃんと停まりました。
なんだか大麻でラリラリっぽい、見た目がやばそうな運ちゃんを呼び止めちゃった。(汗)
「カスムーリのインターコンチネンタル・ホテルまで、お願い」
「へい、でも今日はラリーやってて遠回りしなくちゃいけやせん、旦那」
いちいち Sir. って語尾にくっつけて話す運ちゃんで、見かけとアンビバレントで変な感じ。
僕としてはラリーより運ちゃんがラリラリっぽいほうがず~っと不安だけど…まあいいや。
「遠回りで高く付くだろうけど… いくら払えば良い?」
「7ユーロもらってもいいっすか?旦那?」
「OK!じゃあチップ加えてピッタリ払うから」
「ホントですか旦那?ありがとうございます!」
チップ込みで 10 ユーロなら安いもんです。
前回、オモニア広場でタクシー止めたらインタコまで 15 ユーロと言われ、F*ck You! と言い返しました。
そして… 普段なら渋滞でも十数分で到着するインタコまで、二十数分。
途中の交差点や大通りのあちこちが封鎖で、パトカーだらけでした。
さらに運ちゃん… 高速の出口をミスってさらに遠回りになって平謝り。
でも無事に着いたし、まだ正午前だから気分はいい。
「お待たせしました。時間がかかってすいません、旦那」
「ポリスだらけで自由に走れないアテネ市内を、ありがとう。いくら払えばいい?」
「お約束でしたから、7ユーロお願いします、旦那」
ちょっと驚きました。
予定の倍くらい時間がかかったから、もっとふっかけてくると思っていました。
この運ちゃん、見た目はラリラリで英語が少し変でも、正直者で良い奴です。
手持ちは10ユーロ札の他に5ユーロ札もあったので、それもあわせて15ユーロ渡したらキョトンとしています。
「今日は道が混んでいて儲からないだろうから、それだけ取って」
「マヂっすか、旦那!? ありがとうごぜぇやす!!」
運ちゃん、大感激です。
トランクから荷物を出して回転扉の前にいるベルボーイに渡すまで、僕に荷物を触らせてくれませんでした。
ベルには2ユーロ玉だけあげて(笑)、レセプションへ行ったら… 今まで2回と同じ姉さんがいました。
「Mr. ObaKoba! おかえりなさいませ!!」
アテネって、顔なじみになるとメイド喫茶な対応になるんでしょうか…。
「今回は6階ですが、パルテノン神殿が見えるお部屋をご用意いたしました。すぐ入れます」
「パルテノンでやってるラリーのおかげで酷い目に遭ったけど、もう使えるのは嬉しいよ」
そうだ。前回すごくプッシュされた『アンバサダーは朝食5割引』を試そう。
「ねぇ。前回勧めてくれた Café Zoe の朝食ブッフェはまだ 50% Off オファーしてる?」
「アンバサダー会員様ならもちろんです!毎朝お召し上がりになりますか?」
「7時開店だよね? 月曜日は7時前にチェックアウトするから、3回だけお願い」
伝票を確認させられたら… 32ユーロの 50%オフは 15ユーロでした。割とぞんざい。(苦笑)
そして、もらった 608号室に入ったら… この部屋からは確かに悪路ポリスが少し見える。
でもやっぱりピレウス銀行に邪魔されて、全部は見えない…。
多分、景色がベストなのは8階、クラブフロアの802~808号室(偶数の部屋)です。(現在は閉鎖中)
あと、あのヘンテコなサルの画は、ストリートアーティストの作品に替わっていました。
アテネの「b.」という短い名前(笑)のストリートアーティストによる作品です。なんとな~く見たことがあるような作風で、20~40年くらい昔の PARCO が喜んで採用しそうなタッチ。
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