Wednesday, September 15, 2021

UA982 IAD→ATH

※ アテネ旅行記 外伝、第壱話 ※

3回目のアテネ遠征に行ってきましたが、冗長な繰り返しになるので、新規味のある部分だけ綴ります。

往路はワシントンD.C.で乗り換えて、UA982便でアテネへと接続しました。
なお、SFO→IADは見事にアップグレード落選。WLは「3番目の老人」でした。

乗り継ぎが1時間未満でも、ターミナル半分歩かされても、ワシントン・ダレス空港なら大丈夫。
ギリシア入国書類のチェックなんて、もうやっていませんでした。無事に搭乗して、自席へ…

そう。今回もまた次点で落選していました。(2番目以下は割愛)
もうサイテー!!

国務省からは渡航禁止勧告が出ているのに、なんでみんなギリシアへ旅行するのか不思議なくらいに満席。

で… 最初は通路側 20K を予約してありましたが、B787-8 だから壁に寄りかかって眠れる窓側に変更。
20A をもらって、そこに落ち着きました。

座席 20A からの景色は、こんな。
接続に遅れたPAXを待っていて、出発時刻は30分くらい遅れました。でも隣席の 20C には誰も来ない。

飛行機の蓋を閉める前に、若い CA 姉さんが2~3回やってきて、隣席に客が来たか何度も確認します。

最後には「あなた… 本当に座席 20A ですか??」って聞かれました…。
ちょっとプチムカになりつつも、上に載せたデジタル搭乗券を見せました。

「ほら、アップグレード失敗して見事に 20A のままですが」
「そうですね… 失礼しました。もし隣席に誰か来たらコールかけてくださいね」

で、結局そのまんま離陸。僕の隣がカラッポだから脚でも伸ばせればいいけど、さすがにちょっと無理。
そのうち雲を抜けて、窓外は夏の入道雲を上から目線で眺められるくらいの高度に到達。

このへんで United Wi-Fi が繋がったので、隣席がカラッポなのかを最新のシートマップで確認したら…
僕の座ってる席までカラッポって、なんでよ!?

変だなぁ… と思いつつデジタル搭乗券を表示させたら…
いつの間にか、座席が 5L になっています!

あわててアップグレード待ちのリストを見てみたら。
僕だけアップグレード成功。

僕が移動後のプレミアム・プラス側は確認しなかったけど、繰り上げ当選は無い模様。
う~ん… なんだか 補欠合格 とか、裏口入学 という単語が脳内を踊りました。

さっそくアテンダントコールをかけたら、折良くカーテンの向こうにいた CAのおばさんが…

「どうなさいましたか?」
「見て! 離陸後にアップグレードされました」
「じゃあ荷物は後でいいからすぐ 5L へ移動してください! もうお食事が始まっています!」

たいした荷物じゃないから、頭上の棚入れを開け、荷物もかかえて 5L へ移動してきました。

20A/Cと並んで空席になったところには、センターアイランドのPAXが喜々として引っ越してきていました。

移動してきたら、いきなりこれでした。飲み物の種類だけは聞かれたので、シン・コークゼロで。
「もうビーフしかありませんから、あしからず」と、そっけなく言われました。

「言われたとおりに荷物を置いてすぐ来ていたら、メインを選べた?」

荷物をかかえるためのタイムロスは2分以内だったはずだけど、いちおう聞きました。

「そんなことはありません(笑)。残念ですが今日はもうビーフしか残っていないんです」
「参考までに、他にはどんなものが用意されていたの?」

念のために選択肢を伺ったら、他はパサパサのチキンまたはデロデロのパスタでした。←酸っぱい葡萄モード

もらったビーフは、ステーキではなくショートリブみたいです。
味付けはどうやらポートワインソース風? マッシュポテトはたっぷりで、少し嬉しい。

肉をカットしたら、味が染み込んでいそうな調理でした。
食してみたら… それなりにやわらかな仕上げで、UAビジネスクラスの機内食では平均点。

今回ちょっと嬉しかったのが、パンがプレッツェルになっていました。
しかも、温めてありました!

普段なら驚く事でもありませんが、COVID下のオペレーションで初めてありついた、温かいパン。

他は… 添えてあったりいなくなったりするアイスクリームは、添えてありました。
塩キャラメル風味のジェラートです。
最近の EWR・IAD 発の大西洋横断便は塩キャラメル風味かマンゴーソルベです。

幸いにも窓側に引っ込んだ席に座れ、導眠剤を使ってフルフラットでゆったり眠れました。
室内灯が点って目が覚めて、シェードを上げたらこんな景色。夜明けを過ぎたばっかり?

イタリアに近づいてきたところで2回目のミールサービス、朝食の配布です。

「クリームソースを添えたフレンチトーストか、卵料理ですが… どちらになさいますか?」

「それって… プレミアム・プラスで出るのと同じでしょ?温めたバニラアイスを添えたフレンチトーストか、または卵白とケールを炒めたのにソーセージ添え?」

「 さすがは2ミリオン。卵料理はまさにそれです(爆)! 一食目が選べなかったのでお好きなほうをどうぞ♪」

ここは数秒考えました。あのフレンチトーストか、卵白にケールか… 究極の選択
脳内では『来年の漢字』をお習字する、清水寺の高い舞台が再現されていました。

あの熱々のバニラアイスを添えられた、貧相なフレンチトーストを食べたい気分じゃない。
卵白とケールは好きくない組み合わせだけど、塩っぱいものを食べたかった。

「卵料理をお願いします。飲み物はコーヒーにクリームを入れてください」

「聞く前に答えてくださって助かります。すぐにご用意いたしますね♪」

言葉通り、メイン以外のアイテムがトレーに載ってすぐ到着しました。
しかし… ここからが少し長かった。

前のギャレーから遠巻きに Oh Gosh!! とか、Damn Shit!! とか、そんな台詞を客に聞かれてもいいのか?と心配になるような大声で、思い切り毒づくアテンダントさん達の声が聞こえてきました。

やがてCAさんが厳しい表情で前のギャレーからやってきました。

「卵料理の加熱に問題が起きて、あと数分はお待ちいただく事になりますが…」
「熱いのは苦手だから、生温かい程度の加熱でも全然嬉しいんですが?」

CAさんの表情が苦々しく曇りました。

「中途半端な加熱のお食事をお客様に出したら、もの凄い規則違反になります」

だろうね…。
航空会社なら、食中毒だけはゼッタイに出しちゃならんだろうからね。

「到着10分前のチャイムが2回鳴る前に食べ終える自信あります。待ちます!」
(笑) 助かります。貴方みたいなお客さんばっかりなら、凄く楽なんですけどねぇ」

その後さらに、蕎麦屋の出前みたいに「あと3分ください!」と言われた10分後に届きました…。

まるで溶かしたガラスを触る用みたいな手袋を装着して、湯気が見える皿を持ってきてくれました。
エアショー上の白い飛行機マークの移動で、待たされた様子が判るでしょうか?(笑)

卵白とケール、ソーセージ添えのメインが届くまで珈琲だけで我慢してました。(珈琲は2杯目)

これが今までプレミアム・プラスでは敬遠していた卵料理です。
率直な感想: 完全に予想外。ユナイテッド航空の卵料理としては、平均点以上(平均が低いからね)

なにしろちゃんと熱々なのが嬉しいですし、塩味がいい塩梅。ソーセージもなかなか美味。
それにケールが入っているからヘルシーかもね♪ ←あれほど「健康バカの食品」と忌み嫌っていたケールに肯定的w

結局、メインを配布されて数分で完食したので、最後に配ったのにトレーを下げるのが早くて笑われました。

それでもお食事を終えたら割とすぐに降機態勢。
運ちゃんは30分の遅れを見事に取り戻して、午前10時に着陸。
ちいさなアテネ空港はタクシングが早く、定刻で降機できました。

その後、入国審査は待たされず、メトロの駅でもたいして待たずに乗車できました。
朝10時すぎのメトロは、欧州内線の到着がピーク前なのでガラガラ。

ところが、この日は「アクロポリス・ラリーがあるからシンタグマ駅は通過します」と言われました。

あの世界遺産の大理石だらけの遺跡の周りでラリー??
市内で公道 F1 の間違いではないのか?と、マヂで思いました。
…てか、ラリーカーがあの高い崖から落ちないのか??

でも、ホントにWRCの正式なラリーをやっちまうようです。

Wikipedia から3フレーズだけ盗んできました。

イベントはパルテノン神殿の近くからスタートする。
路面に大粒の尖った石が散乱しているため足回りやタイヤにダメージを負いやすく…
日本では悪路ポリスという俗称もあった

何それ!? 悪路ポリス??

ともかく、ラリーのおかげでシンタグマ駅でトラムに乗り換えられません。
2回も乗り換えて Syggrou-Fix 駅でトラムに乗り換えられると言われました。
しかもこの情報まで真っ赤なウソ!!
トラムは途中で折り返し運転のため Syggrou-Fix までやってきません。
 
シンタグマが近づくにつれ、メトロの車内では周囲に乗っている乗客数名が一斉に…

「シンタグマ駅は停まらない。周辺の2~3駅は全部やばい」

…と、下手糞ながらも英語で一生懸命説明してくれます。

最初、新手の詐欺か? と思うほどみんなが必死に説明してくれるので怖くなりました。
シンタグマの手前の駅名をうろ覚えなので、覚えてるそのまんまで発音しました。

ヱヴァンゲリヲンで降りてタクシーを捕まえます」
「うんうん。それがいいだろう!!」

駅名を『ヱヴァンゲリヲン』と発音しても、全く問題なく通じました。www
シンタグマのひとつ手前で、御礼を言いながら降りました。
ここですね。エヴァンゲリスモス駅です。ヱヴァンゲリヲンと発音しても大丈夫なほど同じ♪

ただし、駅から出てもピラミッドみたいな建造物や地底湖はありません。

メトロの出口はバス停ですが、タクシーを呼び止めたらちゃんと停まりました。
なんだか大麻でラリラリっぽい、見た目がやばそうな運ちゃんを呼び止めちゃった。(汗)

「カスムーリのインターコンチネンタル・ホテルまで、お願い」
「へい、でも今日はラリーやってて遠回りしなくちゃいけやせん、旦那」

いちいち Sir. って語尾にくっつけて話す運ちゃんで、見かけとアンビバレントで変な感じ。
僕としてはラリーより運ちゃんがラリラリっぽいほうがず~っと不安だけど…まあいいや。

「遠回りで高く付くだろうけど… いくら払えば良い?」
「7ユーロもらってもいいっすか?旦那?」
「OK!じゃあチップ加えてピッタリ払うから」
「ホントですか旦那?ありがとうございます!」

チップ込みで 10 ユーロなら安いもんです。

前回、オモニア広場でタクシー止めたらインタコまで 15 ユーロと言われ、F*ck You! と言い返しました。

そして… 普段なら渋滞でも十数分で到着するインタコまで、二十数分。
途中の交差点や大通りのあちこちが封鎖で、パトカーだらけでした。
さらに運ちゃん… 高速の出口をミスってさらに遠回りになって平謝り。
でも無事に着いたし、まだ正午前だから気分はいい。

「お待たせしました。時間がかかってすいません、旦那」
「ポリスだらけで自由に走れないアテネ市内を、ありがとう。いくら払えばいい?」
「お約束でしたから、7ユーロお願いします、旦那」

ちょっと驚きました。

予定の倍くらい時間がかかったから、もっとふっかけてくると思っていました。
この運ちゃん、見た目はラリラリで英語が少し変でも、正直者で良い奴です。
手持ちは10ユーロ札の他に5ユーロ札もあったので、それもあわせて15ユーロ渡したらキョトンとしています。

「今日は道が混んでいて儲からないだろうから、それだけ取って」
「マヂっすか、旦那!? ありがとうごぜぇやす!!」

運ちゃん、大感激です。

トランクから荷物を出して回転扉の前にいるベルボーイに渡すまで、僕に荷物を触らせてくれませんでした。

ベルには2ユーロ玉だけあげて(笑)、レセプションへ行ったら… 今まで2回と同じ姉さんがいました。

「Mr. ObaKoba! おかえりなさいませ!!」

アテネって、顔なじみになるとメイド喫茶な対応になるんでしょうか…。

「今回は6階ですが、パルテノン神殿が見えるお部屋をご用意いたしました。すぐ入れます」
「パルテノンでやってるラリーのおかげで酷い目に遭ったけど、もう使えるのは嬉しいよ」

そうだ。前回すごくプッシュされた『アンバサダーは朝食5割引』を試そう。

「ねぇ。前回勧めてくれた Café Zoe の朝食ブッフェはまだ 50% Off オファーしてる?」
「アンバサダー会員様ならもちろんです!毎朝お召し上がりになりますか?」
「7時開店だよね? 月曜日は7時前にチェックアウトするから、3回だけお願い」

伝票を確認させられたら… 32ユーロの 50%オフは 15ユーロでした。割とぞんざい。(苦笑)

そして、もらった 608号室に入ったら… この部屋からは確かに悪路ポリスが少し見える。
でもやっぱりピレウス銀行に邪魔されて、全部は見えない…。

多分、景色がベストなのは8階、クラブフロアの802~808号室(偶数の部屋)です。(現在は閉鎖中)

あと、あのヘンテコなサルの画は、ストリートアーティストの作品に替わっていました。
アテネの「b.」という短い名前(笑)のストリートアーティストによる作品です。なんとな~く見たことがあるような作風で、20~40年くらい昔の PARCO が喜んで採用しそうなタッチ。

・・・ということで、3回目遠征は大西洋横断便からホテルに着くまでが凄く変わってました。

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