Sunday, August 7, 2022

Xiringuito Escribà

今回の旅行で唯一、きちんと予約を作ってからディナーへ出かけたレストランです。
チリンギト・エスクリバ という、パエリアで有名なレストラン。ここんちは澁谷にも支店があります

NHK『突撃!ストリートシェフ』で取り上げられていて、TV JAPAN で観てすぐ予約を入れました。

胃袋から世界を知り尽くす!今回は、スペインのバルセロナで、一番おいしいパエリアを作ると評判のシェフが登場。コメ文化からスペインとイスラムの意外な関係も丸わかり!

で、その本店は… やってきてビックリ。まるで海の家…。てか、海の家でしかない!
何この店構えは!!?? こんなだから『ストリートシェフ』に出てきたわけ?
これだったら日本の店も、澁谷じゃなくて湘南海岸あたりに出せばよかったのに。

上写真の立ち位置から、歩道の反対側を見ると…
海岸です。午後8時の夕方に、みんながビーチバレーやってます…。

受付で少し並んで、予約があると告げたらすぐに通されました。
2人がけで、空いていたのがこのへん。窓際の席を希望とか、無意味でした。

てか・・・こんなだから、エアコンが効いてません、空調ありません!!
午後8時の予約でしたが、気温は27℃くらい。早めの予約にしなくて良かった...。

もらった席の反対側は、イギリス人の家族連れ。
このブロンドの子供ふたり、大きくなったらどっちもボリス・ジョンソンみたいになりそうな悪寒…。

で、テーブルセッティングはこんなです。
海の家でファインダイニングを出したら、こうなるでしょうか…。なんか違和感。

でも事実上海の家。カジュアルダイニングなので、リラックスして食せるレストランです。

まずは、地酒のカヴァ(発泡ワイン)を1本お願いしました。
ウエイターの兄さんが栓をネジネジ… 結構派手にシュポン!と抜いて、周囲の注目を浴びます。

そのまま注いでくれて… 発泡酒に対する敬意を感じない、割とぞんざいな注ぎ方。
テイスティングなんてさせてくれなかったけど、このカヴァはドライで良かった。

オーダーは僕が予習してきたので、アテネの先生は僕任せ。
つつがなく注文を通しますが… サービスパーソンの兄さんがサジェスチョン。

 「それだと量が多すぎます。パエリアは1人前に減らして分け合ったら?」
 「えっ!? パエリアの1人前だけって、できるの!?
 「かまいませんよ。残すのはもったいないから、やりますよ」
 「じゃあ、それでお願いします」

・・・と、主菜のコメ料理が少なめになりました。

前菜は『二人前で4種類』だという、Nuestro pica-pica「うちの ピカ-ピカ」というアイテムを。
4種類いっぺんに楽しめて、割安になっています。
そのうち、まずふたつが届きました。

こっちはポテサラ。
Spanish potato salad with octopus スペイン風ポテトサラダ、タコ入り。
柔らかく仕上げたタコの切り身がポテトサラダに混ざっていて、これは日本人には美味しい。

もう一品は、アテネの先生の大好物。
Cantabrian anchovies カンタブリア風アンチョビ
オリーブ油に浸かったアンチョビの切り身に、パン・コン・トマテ添えです。

僕は一切れの4分の1くらい味見しました。
塩辛くて魚臭くて、僕にはアウト。
従って、アテネの先生、独占できて大喜び♪ (笑)

替わりに、僕はタコ入りのポテサラを多めにもらって楽しんでいました。

炭酸水はビッチー・カタランをもらって。
炭酸水を飲むのは僕だけ。酔いすぎないようにカヴァをうめて飲んでいました。
でもカヴァ1本が綺麗に空いて、アテネの先生は酔っ払いすぎないから、丁度良い分量。

ピカピカの3品目は、カラマリフライです。
Andalusian-style squid アンダルシア風の烏賊
カラマリフライですが、アメリカでは好かれないゲソの部分もちゃんと入ってます。
アイオリソースが添えられていて、これを塗って食べてもおいしい。

アテネの先生は、僕がゲソを狙って収穫するのを見て「日本人も海洋民族だ」と感心していました。

「日本では烏賊も蛸も食べるよ。鯨も海豚も食べるし」
「うみのどうぶつは何でも食べるんだね…」
「でも中華のように、四つ足なら椅子とテーブル以外みんな食べる、って事は無いよ」

この会話、隣のイギリス人家族にも聞こえたようで、お父さんが苦笑していました。
お母さんは『鯨を食べる』あたりが聞こえたようで、顔をしかめていました。www

ピカピカのもう一品は… ムール貝です。
Grilled mussels ムール貝のグリル
僕はムラサキイガイは嫌い。これも全部、アテネの先生にやっつけてもらいました。

先生、アンチョビにムール貝独占で狂喜乱舞。

昔のピカピカ4品に含まれていたのに、最近は別売りになってしまった『シグネチャーディッシュ』も注文。
これです。Airbag de jamón ibérico イベリコ豚の「エアバッグ」載せ

イベリコ豚が、焼いて膨らませた小麦粉生地の上に乗っているだけですが、木槌で叩いて潰します。
詳しいふりをしていますが、すべて NHK で観て憶えてきただけなのだった。(爆)

「法廷で木槌を使い慣れてるだろうから、やって。」
それ間違い!木槌を使うのは判事!僕は弁護士!←半ギレで返事
「でも、木槌の使い方を見慣れてるから、やって。」

「じゃあ、やるよ…」って、イマイチ気乗りのしないアテネの先生が木槌を振り下ろして…
ドゴッ!!…という激しい音を立てて、木槌が振り下ろされました。
周囲のテーブルに座ってる客の視線が全部こっちへ来て、こっ恥ずかしかった…。

「こんなボロボロに粉砕することないのに…」
そんな事言われたって、加減なんか判らないよ!←いよいよブチギレ w
エアバッグは派手に形象崩壊。

食べてみると、イベリコ豚のハムはまあまあの品質。

エアバッグだったサクサクのクラッカー状物体に載せて食べると、なかなかでした。
イベリコハムを食べていたら、キレていたアテネの先生はみるみる落ち着きました。
すごいぞ、イベリコ豚。

ここで、サービスパーソンの兄さんが砂時計を持ってきました。
「パエリアが炊き上がるまでの待ち時間です」だって。

で… 一人前だからでしょうか、砂時計が落ちきる前に届きました。
テーブルにパエリア鍋を置いてから、蓋を開けてくれます。

開けてビックリ!! アロス・ネグロ、イカ墨の黒い御飯ですが…
具が、なーんも入ってないじゃん!!??

2人前用のパエリア鍋に1人前の材料を敷き詰めたわけで、うすべらったいです。
アサリ2個、海老ひとり、赤い魚が一切れ。なんて見た目の寂しいパエリア。

取り分け皿をくれましたが、添付のちっこい木匙で鍋から直接すくって食することに。
こんな感じです。1人前のため薄く延ばす必要があって、そのためにイカ墨ソースを多く使ったのでしょうか?風味がもの凄く濃厚で、いままでカタルーニャで食べたアロス・ネグロのうちではベストの風味でした。
オーナーシェフの Joan ジョアンさんが NHK に出てきた時、このアロス・ネグロを作ってみせていましたが、最後にイカのわたを加え「こうすると『磯の香り』が乗ってコクが出るんだ」って解説していました。実物もその通りで、とてもコクと風味が乗ったイカ墨ごはんでした。

でもなんか、こうやって小ぶりの匙でグジュグジュした物体をすくって食べていると・・・

 もんじゃ焼き食べてるみたい!

・・・と、思えてきました。アテネの先生にもんじゃ焼きを説明するのは面倒で、静かに食べ進んだけど。

二人で黒いもんじゃ焼きをつつく向こうには、もの凄い大行列が。
金曜日の晩、9時ごろです。予約も入れずに 海の家 バルセロナの名店に座ろうなんて、おこがましい…。

無事、黒いライスをやっつけ終わってから、デザートです。
アテネの先生はスイーツを食べないので、僕一人で注文。

「クレマ・カタラーナをください」
「ぁ… 実物は、もっと薄べらったく仕立ててありますけど」
「それで?味が変わるの?」
「表面が多くなるから、てっぺんの焦がしたカラメルが広くなります」
「それ、大歓迎です!」

で、平べったいクレマ・カタラーナが届きました。
ホントに平べったい…。
 ホイップクリームと一緒に、ババ(酒を吸わせたスポンジケーキ)が飾ってあります。

お匙をふたつくれたので、アテネの先生に「味見だけでも」って勧めたら… ハマって3分の1ほど食べた。
ババに使ってあるリキュールと、カスタードに仕込んだリキュールが違う。
本体にはオレンジキュラソーみたいな酒が、ババには焼酎みたいなアルコールを感じました。

クレマ・カタラーナとクレームブリューレの違いは、生クリームを使ってないのがカタルーニャ風。
でも、ホイップクリームを添えてあるので、一緒に食べたらクレームブリューレ。(笑)

アテネの先生が甘い物に釣られたもうひとつの理由が、キツ目のエスプレッソ
暑いしエアコン無いし、なので「アイス・エスプレッソにして」って頼んだら、こうなりました。

おおきな氷がひとつ入っていて、ジワジワ冷えてくれます。
バニラアイスクリームで作れば、アフォガットな状態かも?

濃いダブルエスプレッソが冷えて、その苦味とクレマ・カタラーナとが素敵な相性でした。

おなかいっぱいで、大満足で会計しました。
また来年もここでアロス・ネグロを食べようね、って誓いながら退席する頃は、もう10時半。

ランチからディナーまで通し営業ですが、週末のディナーに来るなら予約をオススメ。
Xiringuito Escribà
Av. del Litoral, 62, 08005 Barcelona, Spain
+34 932 21 07 29
restaurantsescriba.com

レストランを後にして、高速道路を渡ってバス停へ向かいました…。
ここって… 高速の上が、マクドになってる。

美味しいもの食べたら途中でアイス買い食い、を習慣づけるため、マックシェイクを買おうとしました。
…そしたら、スペインのマクドナルドってシェイクを置いてない!!

ちょっとガッカリだけど、おなかいっぱいだし、そのままバスに乗ってホテルまで帰還。

翌朝は甘い物はダメなアテネの先生を連れて、チョコラタ・カリエンテの朝食に出かけました…。

2 comments:

  1. なんだかフィッシャーマンズワーフのレストランに雰囲気が似てますね。ビーチはないけど。
    ああ、海外に行きたい(T_T)。
    こちらは6月に飛行機に3年ぶりに乗って東京に行けたけど、その後は第7波のために近場の温泉に車で行くことしか出来そうにありません。
    なお、東京では移転後のサンパウに行きましたが、現在のシェフは毎日のようにカルメさんとオンラインで連絡を取っていると言っていました。においは分からなくても料理を見せてチェックを受けているとのことでした。味はジェロムさんがいた頃とあまり変わらないと思いました。

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    1. NYCさん、ご無沙汰いたしております。
      お暑い中を、皆様お健やかにお過ごしでしょうか?
      夏になると日本在住の皆様に悪いような気がして… こちらサンマテオは最高気温23℃、最低気温15℃で夏がありません。

      僕は、メートルの真理子さんも辞めちゃったので、丸ノ内(?)へ移転した後のサンパウはお邪魔してないんです。時々ジェロムさんがアドバイザとしてメニュー組み立ての提案したり、カルメさんが店名を歪めてないかチェック入れているという話は伺っていますが、実際に行って食べた事がありません。…そもそも入国できないし。(怒)

      ついでに最新情報。サンポール・ダ・マルのサンパウ本店跡地ですが、いま普通にバルになっているのを、今度からカルメさんの息子、ラウルさんが Fine Dining なお店を始めるそうです。ラウルさんはバルセロナM.O.ホテルの併設店『モメント』でシェフやってますから、後ろに控えたカルメさんや、知恵袋のジェロムさんがいる事を考慮すれば、また星持ち店になりそうです。

      バルセロナは来年5月にまた行ってきます。
      それまではアテネばっかり。行けるなら習志野も。

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