夜7時半開店ですが、こちらでの通常なディナー開始時刻の午後8時で予約してありました。
でもスムーズにタクシーを拾っちゃって、入店したのが7時40分くらい。案の定店内はガラガラ。
マネージャさん、給仕長さん、その他のサービスパーソンさん達も顔見知りになっているので ¡Tanto tiempo!(お久しぶり!)って挨拶を交わして握手しまくりです。他のお客さんからの「あの Chino(東洋人)、何物?」という視線が痛い。
そして、さっそくいつものカリカリ「その1」が...。
ひねりん棒はパルメザン風味、サーモンのパイ、もうひとつは... 忘れたけどおいしかった。(ぁぁ、この馬鹿舌!)
ソムリエのクリスティンさんが、彼曰くアルゼンチンの国産でベスト(きっぱり)という泡を選んでくれました。
Zuccardi Blanc de Blancs Cuvée Especial NV, Mendoza
シャルドネ葡萄100%のブランドブランです。樽香が乗っていて、なんとなくサロンっぽい。サロンの5分の1以下の値段で似たような風味。これは欲しい! でも生産量が少ないので米国では入手困難な模様。残念。
今日はあんまり飲めない。って言ったのにニコニコとたっぷ~り注いでくれました。
この泡は拒めません。おかわり注いでくれるのも拒否れませんでした。(苦笑)
特にパルメザンのひねりん棒とは相性バツグン。
一緒に出てくる発酵バターやサーモンバターが美味しいんだよね。泡が進みます。
英語の上手な給仕長さんが注文取りと食材の好き嫌いの確認に来てくれました。
「今夜のお食事はいつものようにデグスタスオンでよろしいですか?」
「うん。でも量は少なめにお願いします。」
「そうしますと今夜は... カエルの足、召し上がれますか?」
「フランスで何度も食べてる。」
「Sweetbread(子牛の胸腺)は大丈夫ですか?」
「ぁぁ、季節が逆だから旬なのか。好きです。」
「あと... 日本のお生まれでしたらタコは平気ですね?」
「南米のプルポ(タコ)、やわらかくて好き~♪」
「承知しました。その後は鴨が続きますので、お楽しみに。」
以上でコース内容が記憶されましたが... ちょっと勘違いな展開が...。
最初はアミューズブッシュ。
タコです。南米っぽいサルサで和えて、下にスイートポテトベースのクリームが敷いてあります。
そして、やって来ました、カエルの足。
よく Taste like chicken(鶏みたいな味)とかいう冗談があるけど、鶏肉よりサッパリしています。
臭みを抑えるためか、ガーリックがふんだんに使ってあって僕には大歓迎。とってもいけてました。白髪葱みたいに極細に切って揚げたポテトやパセリ風味で綺麗な緑の泡ソースがとても上手でした。骨を手で持って食べちゃった。
今度は子牛の胸腺。
やわらかでマイルド&ねっとりした風味がステキ。一緒に乗ってきた白い根菜は... すわ、カブトムシの幼虫か!? と勘違いしたけど、南米の芋らしいです。黒いのも根菜。ローストされたガーリックのクローブがふたつ添えられていて、中のホクホクなガーリックと一緒にスイートブレッドを口に含むと、風味が複雑になって素晴らしかったです。
さらに、蛸。
タコに添えてある黒い網は、黒ニンニク。これ、サンパウさんで蝶の形に仕立てて出てきたのを食べた事がある。御本尊様のタコは外側がカリカリに焼いてあっても、中はフワフワでやわらか。素晴らしい出来でした。
以前ソムリエさんに紹介してもらった、ピノ・ノワールしか造っていないパタゴニアのボデガ・チャクラが美味しいと記憶してるから、それを。ブルゴーニュとは違うミネラル感。カリフォルニア産のように果実味が残っているけど風味は別物。チェリーというよりスミレみたいな香りで、でも少しイチゴに近いヒントも感じて、独特です。クリスティンさんも「ここのピノは独特です」と、同感でした。
胸肉なのでフレンチだと Magret de Canard と呼ばれる部位。脂の層があって、ここが風味豊かで美味しいんです。アルゼンチンの鴨はサッパリめ。でも肉の部分にコクがあって野趣が深い。添え物の野菜も煮たり炒めたり揚げたりしてあって、ポートワインベースのソースと一緒にいろいろな味が愉しめました。
ぁぁ、今日のメインは鴨だったか。もう目一杯おなかいっぱいで幸せ♪
・・・と、ここが大きな勘違い。ここはアルゼンチンですから、主菜は鴨ではなくビフテキでした。
おなかパンパンなのに、8オンスくらいのフィレミニヨンが登場! もうこんなに食えないよ!!
でも意志薄弱な私はビーフとマッシュルームの素晴らしい香りに釣られ、うっかり手をつけました...。
カットしたら上手なミディアムレア。焼き加減を聞かれなかったけど... 僕はもうちっとレアが好き。
あと、この個体に限ったことなのか、肉質がやや繊維っぽいというか、不思議な余韻が舌に残る。
多分満腹すぎて脳が拒否ってるんだと思います。
半分たいらげたところで、残念ながらもう降参。
・・・という目論見も、見事に外されました。
最初から4種類もチーズが載ってるし。僕の大好物な無花果で誘ってるし。
もうこれ以上無理ってほど満腹だけど、食べた。無花果は茎以外全部食べて、白カビ青カビチーズは全部たいらげました。ブラックペッパーが仕込んであるチーズとかはごめんなさいして、半分残した。
ピーチとシナモンのソルベでした。
・・・大正漢方胃腸薬風味のソルベが欲しかった。(爆)
ぁぁ、名店なので法則どおりに甘い物責めが始まっちゃったよ!
これ、無理ゼッタイ。La porción es mucho grande...(量が多すぎる...)と泣き言を入れ、「でも パステラリ(パティシエ)のプチフール、いつも楽しみだから残したくない。持ち帰れるようにできませんか?」って哀願したら、「そう言ってくださると、うちのパステラリも喜びます。いまアレンジしますからね♪」と、お持ち帰りパックにしてくれました。
ついでにデザートも「軽い・重い」の2種類をやめてひとつにしてもらったら... All in one な「ひとつ」が登場。
ほぼチョコレート系デザートの総特集です!チョコムース、生チョコケーキ、フランボワーズのジェラート、ホワイトチョコとドルセ・デ・レチェのマカロンにチョコレート味のクレム・ブリューレ。
ところどころに落としてあるこのチョコレートクリームが、最高に美味しかった。
かろやか。食道まで詰まってると思うほど超満腹でも、これは残さずすくい取った。甘党なのが幸いして、このデザートは完食。シェフが「ステーキ半分残したくせにチョコは食えるのかよ!?」って怒鳴り込んでこないか不安でした。(爆)
ここは豆が上質なので、そのままブラックで美味しくいただきました。
これだけは非常に滑らかに言えるようになった ¿Me puede traer la cuenta, por favor? (お勘定を)と伝えて。
7時40分入店。スムーズに着席してデグスタシオンが終わって、もう時計の針はカッコイイ位置を通り過ぎています。やはり2時間半も食べ続けていました。やっぱりラテン系のお食事って時間がかかります。
La Bourgogne
Alvear Palace Hotel, Ayacucho 2023, C1112AAK CABA, Argentina
Tel. +54 11 4805-3857
Open: Mon-Sat: 7:30 pm - 12 am, Sunday Closed
alvearpalace.com
で、La Burgogne の隣には Boutique de Jean Paul というシェフの名を冠した、お持ち帰りデリや、その場で食べていけるカフェコーナーが開設されていました。お持ち帰りのメニューを見せてもらったら... とても無視できないようなアイテムが満載ではありませんか!?
持ち帰りにしてもらったプチフールと土産のブリオーシュの他に、3品も購入。
アパートの部屋に帰って拡げたのが、こんな。あんだけ食べてこんだけ持ち帰って、J.P. Morgan Chase のアカウントにチャージされたのは、たったの US132.25ドル。アルゼンチンの物価、なんかだかおかしいです。翌日行った焼き鳥屋の女将さんに「高そうなものは安いけど、安いと思う物が高い不思議な国」と言われたのを、この後も体験しました。
次回はこの持ち帰ったアイテムでの「おへやごはん」を記事にしますね。
obaKoba-sann,
ReplyDeleteNow, you try FD, fine dining.
It was middle March and in a milk fed lamb period, wasn’t it ?
A milk fed one must be very soft and delicious.
Didn’t you turn into a predator ?
Or, didn’t they serve lamb in the time of the year ?
Sorry, I’m not sure about fine dining…(btw, when I write the word FD, it reminds me of “functional dyspepsia”)
You were completely full, though you couldn’t resist the special chocolate cream (lol).
I like the fig compote as well as quince.
Fig compote which I ate in Shikoku last year was precariously fine.
The cut side of the fig you demonstrated is admirably colored and seems supremely flavored.
I’m fond of quince, esp. in syrup, as well.
In the end, you took pleasure in your dinner at the La Bourgogne.
best denki
Best Denki sensei,
DeleteWell, this is Southern Hemisphere so the season is opposite to US or Japan. Milk fed lamb is available in late spring France, therefore it is a bit too late here in Argentina in late summer, but it’s a lamb anyway. Furthermore, milk feds are a bit too tiny for sweetbreads, I think.
I also ate figs at the steakhouse, where will be shown here soon. Just one thing the fig variety wasn’t my most favorite. I love the French black fig the best, but those were green-ish figs. Tasted good though.
My biggest surprise this time was their newly added cafe/take away corner. Soon many items are available to go so I have tried some quiches and those didn’t betray my expectation. This fine dining restaurant is always good no wonder they are the member of R&C as well as the staffs remembers me as a repeating guest. ;)