Thursday, March 1, 2018

Restaurant benu - SoMa, San Francisco (1)

2月のはじめ頃,サンフランシスコの SoMa(South of Market)地区にできて赤丸急上昇,あれよあれよという間にミシュラン3つ星を取ってしまったというレストランbenuへ,家人と一緒にディナーに行ってきました。

開店は午後5時半。ちょびっと前に着いたので,明るいうちに正面入口をぱっち。
この建物... 旧い倉庫街だったものをリノベーションしています。外観は古い倉庫っぽいまんま。

名店の法則:外観は廃屋っぽい。・・・を,忠実に守っていました。さすが廃屋の洗濯屋で修行しただけあります。(笑)

ヴァレ・パーキングの兄さんが「ご予約あるんでしたらもう入店できますよ♪」って言うから,門をくぐったら...。
庭には壺がいっぱい? 上は藤棚みたいになっていますが,植えてあるのはジャスミンです。

「あの壺,キムチが入ってると思う?w」と聞く家人...。

シェフさんは... あの「世界のTop 50」を真っ逆さまにころげ落ちてザマミロwな『フランスの洗濯屋』で修行したコリア系アメリカ人らしい。さらにサービスパーソンやソムリエさんにもコリア系の皆さんが多かった。

※注:「朝鮮」と記載すると北側を連想するし,かといって米国での呼び方は「大韓民国」ではなく South Korea=南朝鮮ですし,南北どちらのご出身か判別がつきかねますから,この記事の大部分では Politically Correct と思える『コリア』という表記をすることにします。ただ良識的な範囲で朝鮮焼肉を「コリア焼肉」とは書かないと思う。

・・・で,いや,キムチの壺は土中に埋めるはず。w と家人にマジレスするのは止めておきました。
ただサンフランシスコは気候が安定してるから,もしかしたらこれでキムチ漬けてるかも。(汗)

あと... 店の軒先にも干し柿をつるしてるっぽいデコレーションが。あれってまじで干し柿を造っていたかも。なんだか「つきざ田村」の屋上でカラスの強奪を避けながら,からすみを造ってるのを思い出しちゃいました。(笑)

入場して名を告げて... 最初の入場者だから許可を得て店内をちょっと撮影させてもらいました。
かつて「コンクリ打ちっ放し」とかの内装が流行ったけど,それを少し想起させるシンプルな内装。ダークブラウンが主体なので非常に落ち着いた印象です。おかげで照明が暗いから iPhone での撮影は大変だったよ。家人が「壁際はイヤ」とか言うので,上写真中央の席,テーブルナンバー5番を割り当てていただきました。

「思ったより席数が少ないみたい。他にもあるの?」って聞いたら,ご案内いただいたのが,こっち。
ちょっとだけ明るい印象。メインダイニングルームからなにげに別れているのでパーティとかに使えそうでした。

座ったら,こんなテーブルコーディネーション...。
銀のランチョンマット。銀のスプーンと,箸も一膳置いてあって,そちらも銀...。

・・・こ,これは! 銀の箸がソウルの高級料亭を思い出させます。

この後で登場する食材を見るとよく判りますが,コリアンに加えて和食,中華も取り入れたカリフォルニア・フレンチといったフュージョンでした。僕が個人的に嬉しかったのは,どの皿でも必ず箸が出てくる。箸で育った客にやさしい。

最初に本日のメニューとナプキンが届きました...。
メニューにア・ラ・カルトはなく,テイスティングメニューの壱択です。

この晩,僕たちのテーブルを担当してくれたのはアイビーさんというアフリカ系美人のサービスパーソンさん。他のスタッフさんを含め,細かいところまで行き届いた絶妙のサーブタイミングはさすが3つ星獲得だと思いました。

着席時はまだ日没前だったので,天井からも自然光が差し込んできます。
この「応力分散」させてるっぽいナナメの鉄骨が丸出し...。
内装は,なんだかサンセバスチャンのRelais & Châteaux加盟3つ星店 「アルサック」 を思い出させました。

そして。こちらがこの晩のテイスティングコース。
オリエンタルな食材がチラホラ... カナに置き換えても読めないのはコリア系の食材と推測。

それより... いちばん下の「メニュー$295,ワインペアリング $210,サービス料20%でフィックス」に驚愕。ふたりで「ひさしぶりの Fine-Dining だから,まあいいよね...」って納得したものの,お高いディナーでございました。

ワインをペアリングしたら酔いまくりそうなので,グラス売りから選択しました。
けっこう取りそろえてあるのが好印象。
どうでもいいけど... なんでベルギーのビールってデリリウム(譫妄)とかルシファー(悪魔)とか変な名前なんだ?

そこで,最初の泡はドゥラモットNV,白は意見が分かれて家人はリースリングで僕はシャルドネ,最後の赤にはソノマコーストのピノ・ノワールで決定しましたが... 後でシャルドネをいただく頃になって,食材がウニとかアジとかやってきてしまい,ワインの有機酸とモロに衝突するので「しまった。日本酒にしておけばよかった...」と後悔しました。

シャンパンをいただきますが... クープ型のグラスってハイエンドな店で久しぶりに見た。
あ,おしぼりも出してくれるんだよ。Oshibori で通じるのが,なんか嬉しかった。
アイビーさんに,Would you like to have a new Oshibori, sir? とかって聞かれた♪

ソムリエさんがうやうやしくドゥラモットNVを注いでくれ,説明してくれそうなので出来の悪い年のサロンだよね♪」って言ってみたら,苦笑され「左様でございますね...」で解説終了しました。・・・やな客だよね。w
ブランドブランの泡はシャッキリして良い飲み心地。家人が気に入ったけど,我がライブラリのサロンは内緒。w

さて,ここからが長丁場でした。メニューの上では一行 small delicacies と書かれただけですが... このアミューズだけで7品もあって,この記事の前編が終わっちゃうくらい長く続きました。それなりにおなかも膨れたよ。

あと,酔いが廻ってたし解説をメモメモしなかったから,あんまりよく覚えてない。ごめん。

最初のデリカシーは,皮蛋(ピータン)でした。
ウズラの卵の皮蛋とキャベツのソース。下にはサワークリームみたいな白いソースが潜んでいました。「なんだかイタリアンみたいな味がする」とは,家人の評。確かにキャベツとクリーム等,総合すると洋風仕上げ。

ふたつめのデリカシーは「すぐに召し上がってください」の指示が。
パリパリのカラメル風味なゼラチンの中にメレンゲ?とか入ってて,甘海老みたいなのが乗ってました。かすかにキムチ風味が入ってたりするあたりにシェフさんの思い入れとか拘りを見た思いがします。

みっつめは... 僕が普段は食べないムール貝。でもこれは食べた。風味がメッチャ複雑だった。
ムール貝をカットして,中に「超小型レインボーロール」みたいにクリームを巻き込んだ各種具材が... 凄い緻密な仕上げです。なんだかサンパウのカルメシェフとジェロムシェフを思い出しました。

そして,4番目は海老が一本。
新鮮な海老にクラゲを巻き付けて揚げ,青海苔みたいな風味の海藻がふってあります。
クラゲの食感が海老のプリプリ感とあいまって,旨味が交錯したステキな一品でした。

5番目にやってきたのは,生のイカです。
飾り包丁が入った烏賊の下には,イカ墨を和えたコメやクリームが。これも食感と風味の組み合わせが新鮮でした。

むっつめは... 真珠色に輝くアワビの殻に入ってきました。Finger Food なのでお手ふき添え。
鶏手羽の中にアワビを仕込んで,BBQソースで仕上げたそうです。ソースには朝鮮焼肉のタレっぽいような,コチュジャンのような風味が乗っていて,中に仕込まれたアワビの柔らかさに二人して驚きました。

最後,7つ目のデリカシーは意図的にJAWSっぽい?蓋付きで届き,開けてビックリのフカヒレです。
フカヒレの下には卵白とクリームを使ったものが潜んでいて,中華と西洋料理の良いとこ取りしたような逸品。
あれ?カリフォルニアのフォアグラ禁止は解除されたけどフカヒレ禁止はどうなったっけ?と考えるのは,ステキに美味しいからそんな思考は速攻で止めた自己中な私。

「・・・まだアミューズなのに,もう入店して40分近く経っちゃったよ。」
「最初に店内を見せてもらったから,始まってからまだ35分。」
・・・家人,こまかいです。

でも,こんだけサーブされてまだ35分だからサーブタイミングの手際よさ,判るよね。

ここでようやっと家人が大好きな,パンが支給されました。
『撮影前はおあずけ』のルールなんか無視されて,もう半分消え失せたよ。(爆)

家人がハマったのが,この蜂蜜シロップをかけたバター。ほぼ独占されたよ...。
撮影し忘れたけど,透明なソースの瓶に朝鮮人参が入っていました。蜂蜜ソースには朝鮮人参の風味が乗っています。「そのソース瓶に入ってるのはチョスン・インサムですよね?」って聞いたら,アイビーさんに「これ,ジンセンですが...」って返され,そうだ英語だと Korean Ginseng になるんだった...と思い出しました。アイビーさんに「朝鮮語ではそう呼ぶんですか?」と問われ「うん... ちゃんと喋れないけどそのくらいの単語は知ってた。」って答えたら,ちょびっと尊敬されたみたいだよ。(苦笑)

以上,これでメニューのいちばん最初の行が終わりました。(笑)
この続き,後編はまた明後日に。

2 comments:

  1. obaKoba-sann,

    According to the pics you took, they are thought to present a trying menu that spotlights an expansive array of seafood and edible part of plants, some meat and sugary food series.
    Should you prepare in advance 3-4 hours for your evening meal ?
    Are they delighted to adapt the menu to make certain digestive regulations suitable with prior announcement ?
    If you have already eaten at benu, are they able to think out a new menu for you ?

    Anyway, I’d like to visit benu only once, instead of enjoying Gary Danko twice ! (lol)…I’m joking, either will do…

    best denki

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    1. Sorry I forgot to reply here...

      I'm now heading to SFO to fly over Buenos Aires, so please forgive my short answer.
      This is certainly a top-notched restaurant but when I consider the price, I'd rather go Danko or several venues instead. These days, all three starred restaurants are serving numbers of amuse-bouche then ending with tons of sweet stuff. I'd rather would like to see something different because I'm a bit tired encountering this type of presentation which is available around the world.

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