シンガポールのコピティアム『キリニー・コピティアム』が、なんと米国にもありました!
しかもSFベイエリアの、パロアルト市に店を構えているのを見つけました!!
この朝も、ちーちゃんとパーカーのふたりを、佛教会の第弐駐車場(つまり我が家の裏)で散歩させていたところ…
路上駐車された配達用のクルマに… なんだか観た覚えがあるようなロゴマークが?
あれ? あれは確か…シンガポールでしょっちゅう見かける珈琲店のロゴでは??
なんでこんなとこにあるわけ??
クルマの腹にはラクサやカヤトーストの写真が載っていて、どうやら間違いありません。
【追記ここから】
翌々日、こんどは反対車線に駐車していました…。
お店で聞いたら、従業員が向かいのアパートに住んでいるみたい。
【追記ここまで】
この時初めて気がついた。創業が 1919 年なんだね。
ブルックス・ブラザーズと同じ年に開店したんだね♪
…って、こうしてはいられません!
さっそくネコを居住区へしまってから、自分のデスクトップ機の前に戻って検索。
そしたら、実店舗がパロアルト駅から徒歩10分弱の場所にあるではありませんか!?
すぐに CalTrain の時刻表を確認して、次の下り電車に飛び乗りました。(駅前の利点♪)
§
そのままスタンフォード大学とは反対の方向へ伸びる駅前通りを歩きます。
・・・途中、林檎教大本山のお膝元に建っている直営の教会がありました。
この林檎教徒の教会を通り過ぎて、次の信号で右へ曲がって拾数メートル… ありました!
キリニー・コピティアムの、パロアルト店です!!
現在のところ、北アメリカではここにしか進出していません。
こんな近所に出来てくれていて、なんてラッキーな私♪♪♪
ブロンドで長身の、つっけんどんな姉さんに撮影許可をいただいて、店内を少し撮影。
もしここで食べていくなら、お会計後に番号札を持って空いたテーブルに腰掛けます。
普段シンガポールでは『コピC』を頼んでいますが、今回は砂糖少なめの『コピC少糖』Kopi C Siew Dai をお願いしてみました。他にシンガポール名物がいろいろあって悩みますが、初めてだからカヤトーストとチキンライスで。
そこで、天窓からの光が差し込んでいて明るいテーブルを選びました。
テーブル間隔が広めにとってあるのはパンデミックのせいかもしれません。
壁の側に座っている兄さんはラクサを食べていて、それも美味しそうでガン見しちゃいました。そしたら、兄さんは僕のチキンライス等をガン見してくるので、お互いに羨ましがっていたんだと思います。
で、現在はもう屋内でもマスクをかけていなくてOKですから、座って荷物を置いたらマスクも外して…
なんか思ってたのと違う。煮出したような珈琲の風味は、どうも穏やかに感じる。シンガポールで飲んだコピCとはなんだか違う…。濃さが違うような… アクが足りずになんとなくアッサリしすぎなような… 感じかな。
エヴァミルクも出しゃばらず、ずいぶん大人しい風味でした。
砂糖を減らしたのは判りますが、それで味が穏やかになった?
しかも先に届いたのが、まさかの海南雛飯…。
でも全部届くのが速い。
パックを開けてみると、この3種が添えてありました。
スープもチェック。見た目では、どうも具が多いみたい?
せっかくパロアルトまでやって来たので、2品持ち帰りました。
テイクアウト指定していなくても、カヤトーストはワックスペーパーに包まれた状態で届きました。
注文を取ってくれた姉さんがお決まりの文句を発声。
「ご注文はこれでお揃いでしょうか?」
でも注文時とは異なり、声が朗らかになって、ニコニコ顔です。
お姉さん… かなりのツンデレみたいでした。
さて、ペーパーバッグからトーストを取り出したら、こうなっていました。
両面トーストしてサクサクの薄切りパンに、カヤジャムとバターがはさまっています。
ココナッツミルクと、甘い香りのパンダンリーフで造られた薄緑色のジャムが一杯。
なお、シンガポールの典型的な朝定食はコピとトーストに加えて半熟卵ふたつがセットになっていますが、そういうセットを食べられるのは土日だけです。どうやら玉子の提供が週末だけのようです。
今度は週末にも来てみようかな。
食べる順序としては、コピを飲みつつトースト退治。それからチキンライスだな。
そう考えて、カヤトーストをサクサクと食べ始めました。
・・・おいしい。
シンガポールのキリニーで食べるよりも、確かに美味しい。それだけは確か。
全粒粉っぽい甘味のあるパンが優しくトーストされ、そこにカヤジャムのココナッツミルクの香りと有塩バターの風味が載っかってきて、ヤ クン・カヤトーストといい勝負ができそうな、それほどにまで美味なカヤトーストでした。
さぁ。トーストをやっつけたので、海南雛飯にとりかかりましょう。
見た感じ、生姜・チリソース・老醤のみっつともプラスチック容器に入っているから、ここからですね。
老醤: サラッとしていて、チキンライス用の甘くてネバネバした老醤じゃなくて残念。
チリ: クリーミーさは無い。辛さも思ったほど凄くないし、酸味も弱い。無難な風味。
生姜: 油まみれのおろし生姜は、まぁまぁ予想通りで可も無く不可も無い。
3種類ちゃんと添付してくれるのは嬉しい。でも次回チキンライスを食べに来る時には老醤だけは持参します。
揚げた葱と青葱を浮かべてあり、底の方にも揚げた麩みたいなのが入っています。
こんなに「具だくさん」なチキンライスのおまけスープは、食べた事が無い。
しかも… 味がしっかり付いている。おまけスープっぽい感じがせず、コクが深い。
しっかりした味のスープが添えられた海南雛飯は初めてで、少し驚かされました。
添付の3種類の薬味を、鶏にかけると… こんなです。
やはり老醤がサラサラで、力が足りないと思う。他は、さほど文句はありません。
多分、鶏もも肉をアサインされたようですが、全体が骨なしなのも嬉しい。
今までサンマテオの店で食べられた海南雛飯は『港式』つまり香港スタイルでした。ここんちのはピーナッツも添えてないし、米国キリニーの海南雛飯は確かにシンガポール風のチキンライスでした。
ただ、量的にはチキンライスだけだと僕には少し足りない。
カヤトーストとチキンライスの両方をたいらげて丁度満腹。
§
持ち帰る時に、注文してから CalTrain の時刻表を見たら… ああもう10分しかない。と1本諦めていたら… ものの4~5分で出来上がり、早足で駅まで戻ったら列車に間に合いました。
左がビーフ・レンダンで、右はガーリックヌードルです。
ビーフはレモングラスやココナッツミルクで甘辛煮に味付けされ、なかなかいけてます。ターメリックライスはおだやかな風味でも、添えてあるサンバルなどで美味しく食せました。
ガーリックバターで炒められた、うどん風のヌードルです。パルメザンが振りかけてある。
どちらもテイクアウトには『伸びずに持ちそう』なアイテムふたつを選びました。
持ち帰って食してみたら… どちらもシンガポールで味わうものといい勝負でした。
§
全般的にはシンガポールの味を忠実に踏襲しているようですが、パロアルト店の方が美味しいものもあります。まだラクサその他を試していませんから、もう少し足繁く通ってみたいと思います。
キリニー・コピティアムは「平均点、可も無く不可も無く」という印象でしたが、パロアルト店は充分美味しい。
パンデミックでなかなかシンガポールまで出かけられない昨今、この店の発見は偉大です。
ありがとう、いつも路上駐車している近所の従業員!!
§ § §
さらに… 最初に訪問した翌々日の、木曜日。
おさんぽを強要する、ネコのちーちゃんとパーカーに急かされ、一緒に駐車場を徘徊していたら…
またキリニーのバンが停まってるし。
やっぱ、もう一回、試してみるしかない…。
ホントなら SHABUWAY か HiroNori へ行くはずのロテを変更して、パロアルトへ。
また来ました。キリニー・コピティアム、パロアルト店です。
注文取りの姉さんは親しげな東洋系の人になっていて、ちょっと話しました。
「こちらは初めてですかぁ?」
「ここは一昨日来たけど… シンガポールの加東店は何十回も入店してるよ」
この会話を聞いて、背後にいた妙齢の姐さんに声を掛けられました。
「あら! シンガポールへずいぶんお出かけなんですね?」
「ぇぇ… パンデミック前は加東にあるホテル・インディゴへ毎年数回泊まってました」
「それはそれは…」
「で、キリニーはインディゴのビルの地上階に入ってて、しょっちゅう食べてました」
「じゃあ、ここのメニューもみんなご存じですね!?」
なんか、突っ込んで聞いてくる。もしかしてオーナーさん?
「はい。 サンマテオにもチキンライスはあるけど香港式で、やっぱりここのが本物です」
「そう言っていただけて嬉しいですわ♪」
「ここの海南雛飯は『ほぼ完璧』(Almost perfect と言った)です」
訝しげに首をかしげる姐さんに、言葉を続けました。
「ここのは老醤が違う」
この発言は一発で納得してくれました。
「甘くて濃いやつが好きなのね?」
ここで、カバンをゴソゴソやって、持ってきた老醤を取り出して見せました。
「うん。だから自分で持ってきた♪」
これは姐さんにバカ受け。
「どこで売ってたんですか?」
「このへんでは売ってないから、シンガポールから輸入しました♪」
姐さんの手元にあったレンゲに持ち込みの老醤を垂らして、味を確認してもらいました。
「ここのキッチンにもありますよ。頼めば出してもらえるから」
それは良い事を聞きました。でも忘れなければマイ・ソヤソースを持ち込むもん♪
「・・・もしかしてオーナーさんですか?」
「いえいえ。あたしはここのディレクター」
それでも、2回目にして充分に偉い人と遭えました。
2回目は、コピ・ガオという濃い目のコーヒーにコンデンスミルクを加えたものを所望。
・・・このくらいの濃さが、シンガポールの標準コピだと思う。
でもコンデンスミルクが甘くて正確な判定はできませんでした。
安定しています。2日前と全く同じ風味で、シンガポールのキリニーより美味しく感じる。
2度目はカヤトーストも持ち帰りにしましたが、バターが溶けて出てこないようにオーブントースターで片面づつこんがり狐色に焼くと、さらにサックサクになってものすごく美味しかった。これはハマってくせになります。
ネギが無い…。それ以外は安定しています。
ここで、添付の老醤は使わずに持ち込んだほうを使用。香菜はスープへ投入。
結果、完璧にシンガポール風のチキンライスが再現できました。
これなら、もうヘビロテで通います。
おかわりでコピCをもらって飲んでいるうちに、持ち帰り用のカヤトーストやガーリックヌードルが出来上がりました。
「これからも頻繁に伺います!」と声をおかけして退席しました。
上写真の右端にチラリと見えている白いドレスのおねえさんが、ディレクターさんです。
繰り返しになりますが… シンガポールにいる時には「キリニーは平均点」と思っていたのに、パロアルト店はもっとずっと上出来です。そもそも他に競合するコピティアムが無いにしても、高品質で充分に安いのが嬉しい限りです。
Killiney Kopitiam
Address: 552 Waverley St. Palo Alto, CA 94301
Tel. +1 (650) 752-6039
killineyusa.com
Hours:
Tue-Fri: 10am - 8pm
Sat-Sun: 9am - 8pm
Mon: Closed
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