米国の大手製薬会社ファイザー Pfizer と、西ドイツのバイオベンチャー、ビヨンテック BioNtech (バイオエヌテック、のカナ表記もあり) が共同開発した新型コロナウイルス向けワクチンが、第Ⅲ相治験の中間報告として90%以上の効果がみられた。…というニュースが世界中を駆け巡っています。
専門家からは第三者の見解が示されていないとか、流通温度が摂氏マイナス70~80℃で問題があるとか...。
他にも数種類のワクチンが第Ⅲ相、最終の治験に入っていて、それをくぐれば承認申請に入るでしょうが。
でもどんなワクチンが開発されていて、どんな特徴があるのか?
そこで、第Ⅲ相に入っている、多分接種されるのはこの中からだろう、というワクチンをまとめてみました。
ただし、素人がネットで拾い集めた情報ですから、あんまり真剣に読まない方がいいですよ。
それと、ワクチンを接種したら感染しないと思わない方がいいです。
接種したら感染しても症状が軽くて済む、と思っていればいいです。
では、以下に5種類(と、みそっかすひとつ)のワクチン候補を挙げてみます…。
製薬会社:ファイザー Pfizer / BioNtech開発国 :米国・西ドイツ(Mainz)開発名称:BNT162 b2種 別:mRNAベクター:アデノウイルスType-5接種回数:3週間あけて2回目を接種副反応 :中庸。重篤な副反応は報告されていない保存温度:-80~-70℃
ビヨンテックの創業者でCEOのサヒン博士(名前で判るトルコ人)は「効果は1年程度持続するかも?」と述べています。
この製薬ベンチャーでは Project Lightspeed という名前で開発チームを立ち上げたそうです。ワープスピードは現実的ではないので、現実世界でいちばん速い「光速度」という名前を選んだ、というのが科学者っぽくてステキ!
一番先に市場へ出回る可能性が出てきましたが、摂氏マイナス70℃以下での流通は非常に困難なのが問題点です。
製薬会社:モデルナ Moderna開発国 :米国(マサチューセッツ州)開発名称:mRNA-1273種 別:mRNAベクター:アデノウイルスType-5接種回数:4週間あけて2回目を接種副反応 :短期間の発熱、悪寒と体や関節に接種部位の痛み
保存温度:-20℃で保管、解凍後は冷蔵温度2~8℃で1週間有効
モデルナはハーバードやMITの近所にあるので、ボストン周辺から優秀な人材を集めている製薬ベンチャーです。ここは大手製薬会社と協業せず、米国政府のワープスピード計画wから補助金を得ています。
このワクチンもメッセンジャーRNA(mRNA)を利用した最新式で、-20℃で流通させるのが大変です。
製薬会社:アストラゼネカ AstraZeneca / Oxford開発国 :英国開発名称:AZD1222種 別:アデノウイルスType-26ベクター:↑ Ad26接種回数:4週間あけて2回目を接種副反応 :ごく短期間の発熱等、流感様症状が報告されている保存温度:通常の冷蔵庫で保存可
オックスフォード大学が造ったワクチン候補を基に、英大手アストラゼネカが開発・治験・生産しています。第Ⅲ相の治験でイギリスの婆がひとりやばくなったが快復し、その後中断していた治験を再開しました。Ⅰ相とⅡ相の治験では95%の被験者に充分な抗体(スパイクタンパク)が形成されたそうです。
また、ワクチンを導入する「ベクター」に Type-26 のアデノウイルスを使っています。アデノウイルスは喉が痛くなるような普通感冒を起こすウイルスですが、Type-26 はチンパンジーが感染するウイルスです。ヒトが感染する Type-5 では既に抗体を持っている可能性があるため、あえて「猿の風邪」←乱暴な台詞 ウイルスを使ったわけです。
このワクチンの長所は、今までにある他のワクチン同様に冷蔵保存可能な点です。
製薬会社:ジョンソン&ジョンソン Johnson & Johnson開発国 :米国開発名称:Ad26.COV2-S種 別:アデノウイルスType-26ベクター:↑ Ad26接種回数:1回だけ接種保存温度:通常の冷蔵庫で保存可
ジョンソン&ジョンソンも Type-26 のベクターを基にしたワクチンを開発中です。
このワクチンも、今までにある他のワクチン同様に冷蔵保存可能な点が長所です。
接種回数が一度だけなのも、通常は二度目の副反応が重い事を考えれば長所です。
治験で問題発生、現在一時中断していますが間もなく治験が再開される模様です。
他には、米国の製薬ベンチャーであるノヴァバックスでも第Ⅲ相の治験を始めました。
製薬会社:ノヴァバックス Novavax開発国 :米国開発名称:NVX-CoV2373種 別:組替えタンパク保存温度:通常の冷蔵庫で保存可
組替えタンパクを利用したワクチンだそうです。こちらも冷蔵保存可能なのは有利です。
【おまけ】
あとは... 毒者のみなさんが利用するとは思えない中華風味もあります。
製薬会社:康希诺生物 Cansino Biologic開発国 :中華開発名称:Ad5-nCoV種 別:組替えタンパク種 別:アデノウイルスType-5ベクター:↑ Ad5保存温度:2~8℃、通常の冷蔵庫で保存可
ブラジルあたりで治験に入っていますが、ブラジル保健省は治験の中止を発表。
きっと中華の会社だから、中間結果とかを報告してくれないんだね。それじゃイヤだよね。
【記事後悔後追記ここから】
間違えました。ブラジルで治験中止になったのは Sinovac シナバックのほうでした。
【誤】カンシナ バイオロジック 康希诺生物 Cansino Biologic
【正】シナバック テクノロジー 科兴控股生物技术 Sinovac Biotech
【記事後悔後追記ここまで】
以上、判り難いまとめ方でごめんなさいです。
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