来月には澁谷店へ伺う予定なので、同席する方への予習を兼ねた記事です。
バルセロナのレストラン、チリンギト・エスクリバへ行ってまいりました。
チリンギトXiringuito とは『海の家』という意味だそうで、本店の造りはまさに…
逗子海岸あたりの砂浜に建っていても「あら湘南っぽくスカした海の家♪」と思われそう。(笑)
店内の奥まった方は、日が暮れてくると… 天井の照明がカツオノエボシみたい。
バルセロナの先生に勧められて儂が写真撮ってたら、画面下隅の老夫婦がすっげーイヤそうでした。
澁谷店とも共通のオンライン予約で席を確保しておいて、名前を告げたら…
入口・受付すぐ隣の5人がけテーブルを勧められました。海側はここしか空いてなかったから、OK。
前の「BCNより」記事で御覧に入れた、ノンアルコールの『サンフランシスコ』カクテルを注文。
パイナップル+オレンジ+ピーチ混合ジュースの底に、紅いベリー系のピューレが沈んでいます。
奥の籠が「エアバッグ」です。他には Pica-Pica(カササギの意だが、もっとスケベな意味もある)セットが到着♪
手前はパタタス・ブラバスという、ポテトフライにアイオリソースとチリソースが載ったものが。
パタタス・ブラバスは店によって味が結構違いますが、エスクリバのものは上質で儂の好みです。
上に差してある薄切りトーストですくっていただきます。
海外のタコ料理は激しく叩きまくって柔らかくなっているので、食べ易い。
以前トルコの友人にタコの握り鮨を食べさせたら… 硬い!と言って、飲み込めませんでした。(笑)
クラッカーみたいな生地が焼かれて空気枕のように膨らんでいます。その上にイベリコ豚のハム載せ。
バルセロナの先生(若い方)が、躊躇してなかなか木槌を打ち下ろせない。
そんなに力を入れなくても綺麗に形象崩壊する。というのは判った。w
「パエリアの炊き込みに17~20分かかるから、この砂時計が落ちたらできあがり」
「ねぇ質問。コメじゃなくてフィデゥア(米みたいな小粒のパスタ)だと、どうなの?」
チコくんは「おまえ…なんも知らんな」という顔で少しムッとして答えてくれました。
「フィデゥアは数分で仕上がるから、こんなの置いていかないよ」
そうか、それじゃつまんないから、やっぱり米のパエリアしか頼めないな。
この日の日没は午後7時半頃だったので、7時に予約を入れておいて正解。
バルセロナの先生二人も儂の思惑が判ったようで、予約時間帯上手いと褒められました。
ムール貝 mejillones がたっぷり入った鍋が到着…。
いつものように、儂がなぜムール貝は嫌いなのかを説明しようとして… 海苔って説明し難い。
「儂が子供の時、海岸沿いに住んでいて、氏んで腐ったムール貝をイヤというほど見た」…と、簡単に説明。海苔の網に付いた貝を踏んで臭い汁を散々嗅いだ部分は割愛しても、判ってもらえました。
…てか、「ムール貝がこんなに。二人で食べきってくれって、ホントにいいの?」と狂喜乱舞。
カラマリフライが、アイオリソースたっぷりで届きました。
後で考えたら、このアイオリソースを「イカ墨パエリアの味変用」にとっとけばよかった…。
チコくんは砂時計が落ちたのを見て、鍋敷きを敷いていってくれました。
iPhone をかまえていたら、いきなり頭の上から丸太のような腕がかぶりこんで来て驚いた。
「もうフタ取ってもいい?」って聞いてくれました。撮影され慣れています。
火傷しないように鍋掴みを持ちながら、フタに手を掛けて…
中味がチラリと見えたところ。
アロス・ネグロ Arros Negro、直訳すると『黒いコメ』つまりイカ墨のパエリアです。
海老、浅蜊、鮟鱇が載せてありました。
「ねぇ、この魚の切れ端は何?バカラオ(タラの塩干し)じゃないみたいだし…」
「英語が判らない。ここでの呼び名は、ラペ。R A P E」
アール、エー、ピー、イー… レイピー?
Google 先生も翻訳してくれないので、Chrome ブラウザで調べたら… rape とは鮟鱇の一種でした。
ファミリー&フレンズは小皿に取り分けずに、木匙でダイレクトアクセス♪
木匙ですくって写真撮ったら… なんか、もの凄い量のキャビアみたいで、幸せ気分。ここんちのイカ墨パエリアは、以前アテネの先生と「アロス・ネグロ食べ歩き」して見つけた、ベストです。魚介の出汁が利いてるし、イカの胆を入れるらしく、コクが凄い。(イカの胆を入れるシーンは日本放送協会の『突撃!ストリートシェフ』で観ました)
「ぁぁっ! すごくカラフルなのに、全部真っ白にしか写らない!!」
…って言ってるみたい。(スペイン語なので半分くらいしか判らん)
「でわ、儂が撮ってみせましょうぞ」
「あっ!緑になった!! あれも写して!!」
バルセロナの先生は二人とも、クレマ・カタラーナで。
儂の答え聞いたチコくん、あわてて何かを持ってきました。
テクスチャマッピングしているみたいで、色がコロコロ変わるけど、こんな。
「凄い! どうやったらこんなカラフルに写せるんだ!? WhatsAppで送って!」
出た目で撮っちゃダメ。露光を絞って… って、スペイン語で言えない。(苦笑)
「ァ…アバホ・エクスポジシオン」Low expositionってこれで通じるか?
…通じたみたいです。少し良くなったって喜んでいました。
「こんなん、出ましたが…」
「おまえが撮るとなんでちゃんと色が出るんだ!?」
「自慢になりますが、写真学校を主席で卒業しました」
「え? コンピュータ関係の商売じゃなかったっけ?」
「ところで、あれ何のイベントやってるの?」
「コパ・アメリカ」
英語にしてみると… アメリカンカップ? ぁぁ、ヨットレースか。
「それ知ってる。少し前にサンフランシスコで開催した」(10年前だけどw)
…などと、Google 翻訳も使って話をしているうちに主菜も終了。
少し残したのは、儂はホテルで温め直せないから持ち帰ってもらいました。
チコくんに「デザートのサンプルを見せて♪」って頼んで。
「サンプルがトレーに載ってくるのを知ってるのは偉い」って褒められて…
今日はこんだけ。チコくんの本日のお勧めは右下の、パッションフルーツのケーキ。儂はそれにする♪
カタルーニャ風のクレーム・ブリューレです。
「クレマ・カタラーナとクレーム・ブリューレの違いは、生クリームを使うかどうか。と聞きましたが」
「知ら~ん。どっちでも美味しいかったら文句は無い」
こだわらないタイプなのね…。
「で、その小さなケーキは、ババ?」
「?ババとは何か?」
「甘いリキュールを吸わせたスポンジケーキ…」
後ろを通りかかったチコくんが答えてくれました。
「そうです。ババです。旦那、料理に詳しすぎ。(笑)」
「チコくん、お勧めのケーキが美味しい♪ ありがとう!」
そう。このお勧めされたパッションフルーツのムースが載ったケーキは美味しい。
下に敷いたクッキーとか、ブルーベリー系と思しきピューレとかが良い相性。
「なんでカタルーニャ料理に詳しいの?」と、チコ君に聞かれ、
「サンパウという店に通った。そこのジェロムシェフはエスクリバ澁谷店のコンサルしてる」
「これ、差し上げます。あなたにピッタリです!!」
2時間以上滞在して午後9時すぎにお店を出て、この晩は比較的簡単にタクシーを拾って市内へ戻ります。
しかし… ジョアンシェフの『パワー』って吹き出しは、何??
日本語に仕立ててある、お店の歴史を綴った漫画でした…。
アニヲタ視点では、滅茶苦茶にアメリカンコミック風です。
退店時に撮ってもらった、チコくんとのツーショット♪
「澁谷店に行ったら、見せてやってね♪」って言われました。(笑)
バルセロナの先生方との、思い出深いディナーになりました。
また来年再訪したいですが…
オーバーツーリズムで航空運賃が3倍、ホテル代が4倍になってる。
あまりの値段高騰にビビッて、イスタンブールを予約してあります。
でも、バルセロナも居心地いいから、さらにまた心変わりするかも。
Xiringuito Escribà
Av. del Litoral, 62, Sant Martí, 08005 Barcelona, Catalunya
Tel. +34 932 21 0729
Hours: Everyday 12:00 - 22:30